1980年代の長野県南信地区では、中高生の男女交際はほぼ皆無だった。
中学時代は私が育った中川村ではもちろん、通塾していた10万都市である飯田市すら浮いた話一つ聞かなかった。
学校生活での男女の交流すらなく、男女間で喋っているのはごく一部のウェイ系か不良のどちらかであった。

南信地区トップ・伊那北高校へ進学してからは、若干空気が変わって、少しは男女間の会話が発生した。
だが、デートする場所もユニーくらいしかない環境であることや、高校生がカップルで歩くと目立つ田舎街であることから、男女交際はしづらい雰囲気だった。
伊那北高校は当時一学年約360名いたが、3年間で約20組のカップルが誕生して、上記の環境であるため健全交際のまま数ヶ月も経たずに別れている。

駒ヶ根工業高校や上伊那農業高校といった一部の低偏差値高校では本格的なカップルが誕生していたが、それらのカップルが他校である伊那北高校生でも目撃談とかで話題になるような、男女交際に関しては肩身が狭い田舎だった。

そんな時代に育ったから、経験できなかった青春を求めてアフタースクールに来ている私のようなおじさんが多いのではなかろうか。