>>330
店も女性も、1月〜3月の顧客の減少で、何カ月も収益のないまま持ちこたえるだけの余力がなかったのだ。
とはいえ、5月になって営業を再開しても、すぐに客がもどってくるわけではなかった。
当時、田島は「スウィートキス」と「プレシャス」という2店を経営していたが、前者のみを営業再開し、後者はもう1ヵ月休業を延期して都の協力金100万円をもらった上で閉店することを決めた。田島は言う。

「コロナのせいで休業に追い込まれたのは、吉原の140店のうち20店ちょっとくらいでしょうか。
大半が店の賃料がネックでした。土地の所有者が理解を示して、賃料を半額にしてくれたりすれば経営を維持できるのですが、そうじゃなければ閉店に追い込まれるという感じでした。
うちが乗り切れたのも賃料を半額にしてもらったおかげです」

1ヵ月の休業で7店に1店が閉店に追い込まれたというのが、厳しい現実を物語っている。