かれこれ一昔前、住んでいた市の中心街とは少し離れたところに古ぼけた
料亭そのままの店があった。木札に小さな字でソープランドと読めた。
ときどきその前を歩いていたが、あるときふと気が向いて中に入った。
仲居さんみたいなおばさんが 「指名は?」 と聞くので、どぎまぎしてると、
ちょっと待たせて、にこやかな笑顔のお姉さんがでてきて個室に案内してくれた。
言われるままに服を脱いで、体を洗ってもらった。ベッドに上がると
「あなた童貞でしょう?」 と言われ、うなずくと 「内緒で本番してあげる。
声を出しちゃ駄目よ」 と言って、上にまたがった。はじめてのことで
委縮してしまい、結局てこきで発射させてもらった。「最初は緊張するものよ。
つぎからはうまくいくわよ」 と慰められ、待つのももどかしく翌週また訪ねた。
そして今度はうまくいった。お姉さんは私を抱きしめて 「可愛い人」 と
何度も言いながら口づけして離さなかった。私はお姉さんが女性のすべてと
思い、そのまま足しげく通った。