>>232
●娼婦として働いていた女性の生の感情も

当時赤線だった吉原には娼婦たち、いわゆるセックスワーカーの労働組合があって、性病予防の薬を共同購入したり、娼家との団体交渉を行ったり、と先進的な取り組みをしていたんですね。
彼女たちは「婦人新風」という機関誌も発行していて、そこには文化欄があって売春防止法に反対するオピニオンや詩、エッセーも掲載されていた。

この「京一 路子」による詩はそこに掲載された作品です。女性議員が「売春をなくしましょう」と訴えても、当人たちの方には手を差し伸べられているような感覚が全くない。
むしろ鼻白んでいる感じが伝わってくる。
ジェンダーの問題となると「男対女」という対立軸で考えがちですけど、実は「女対女」という側面もあったことがわかります。