しばらく待つと、緊張を解き、再びその小さな穴をそっと開いた。
その姿はまるで、内気ながらも好奇心に満ちた少女が勇気を出して顔を覗かせるかのよう。
汚れのない愛らしさに満ち溢れていた。
顔を覗かせた少女の好奇心を裏切り、硬い棒はその場を離れ、赤貝の二つの突起に近づいた。
突起の周りを優しくクルクルとなぞり、突起自体に触れない。赤貝の反応を待つ。
赤貝に意思に反して、赤貝の生物的な反応は、二つの突起を隆起させ、硬い棒に近づこうとする。
一度見失った固い棒をふたたび見つけた赤貝。
遠くに浮かぶそれの刺激を求め、手を伸ばそうとするが如く二つの突起を必死に上下させる姿。父親の愛を求めるように。
まだ子どもであり、幼く初々しいが、成人に劣らない輝きを放つ妖艶さも微かに感じる。
全て意思ではなくDNAに刻まれた本能だ。