7月にテレビ放送の始まるアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台となる静岡県沼津市内浦地区が、ファンの注目を集めている。
 内浦湾や水族館などでは、作品の登場地を訪ね歩く“聖地巡礼”をするファンが急増。地元は「新たな観光資源として、誘客と地域振興につなげたい」と期待する。

 シリーズ2作目の「サンシャイン!!」は、内浦にある架空の女子校「浦の星女学院」に通う9人のアイドルグループの物語。
9人は昨春以降、CDや雑誌、スマートフォン向けのアプリ、イベントなどに、内浦の海岸や街並みなどを背景に登場している。

 これに伴って、聖地巡礼のファンが増加。昨年7月には、湾に面した地元管理の三の浦総合案内所に登場人物9人のパネルなどを置いた特設コーナーをファンが設置した。
人形や無料配布の「舞台探訪マップ」はファンの手作りで、コーナーはファンが自主的に運営している状態という。

 案内所が今年1月に始めた集計によると、来所したファン数は、1月は407人で、3月には1367人となり、5月は1835人に上った。コーナーに設置されたノートを見ると、京都、兵庫、北関東などの遠方のファンも少なくない。

 舞台の一つ、水族館「伊豆・三津シーパラダイス」は、「これまで、めったに見なかった若い男性グループが急増した」(広報)という。
登場人物を車体に描いたラッピング電車を駿豆線で運行する伊豆箱根鉄道も撮影する男性ファンが目立つようになっているという。

 車で内浦地区を訪れた埼玉県熊谷市の会社員男性(26)は「初めて来たが、道路沿いに登場地が多くあって、とても楽しい」と話した。
埼玉には全国有数のアニメの聖地、「らき☆すた」の久喜市と「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の秩父市があるが、この男性は「沼津の聖地の景色にはかなわない」と話した。

 沼津市はアニメのテレビ放送を期待しながら、ブームを注視する。三の浦総合案内所の女性管理者は「高齢化率の高い地区なので、突然のアニメブームに戸惑う住民は多い。
地域の知名度アップになるのは間違いないので、今後、行政などが活性化策を協議してほしい」と語った。
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