介護疲れによって家族の命を奪う「介護殺人」は去年までの6年間に少なくとも138件発生し、およそ2週間に1件の割合で起きていたことが、NHKの取材で明らかになりました
。状況が判明したケースのうち、介護を始めて1年以内に起きた事件が4分の1、3年以内では半数以上に上り、専門家は「介護を始めてまもない人の不安を減らす対策が求められる」と指摘しています。
NHKは、全国で発生した介護疲れが原因とみられる未遂を含めた殺人事件や心中などいわゆる「介護殺人」について裁判資料などを基に実態を取材しました。

その結果、去年までの6年間に発生した「介護殺人」は少なくとも138件で、およそ2週間に1件の割合で起きていたことが分かりました。

また、状況が判明した77件のうち介護を始めて1年以内に起きた事件が4分の1に当たる20件、さらに、3年以内では半数以上の41件に上ることが分かりました。

介護サービスの利用状況を調べたところ判明した67件のうち、デイサービスなどの介護サービスを利用していたケースは4分の3に当たる50件に上り、現在のサービスでは介護する側の負担を十分には軽減できていない実態が明らかになりました。
動画
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160701/k10010579931000.html