ここへ書き込むようになったのは、勇利のことが好きだと気付いてから割とすぐのことだったよ。
毎日同じ場所で生活して毎日一緒に練習してとなると、さすがの俺でも色々と溜まるからね。
勇利とピーテルに拠点を移してからもその習慣は変わらなかった。
むしろ長谷津に居た頃よりそういう意味で煽られることが増えて、自然とここを覗く回数も増えたかな。
他の誰にも渡すつもりはなかったけど、無自覚な勇利にいつ打ち明けようか二の足を踏んでいたのも事実だ。
コーチと選手の兼業、勇利からの誘惑、今になって思うと俺も疲れてたのかもしれない。
何というかその、ここに書き込もうとした内容を勇利宛てのメッセージとして送ってしまってね。
…そう「誤爆」、日本語ではそう言うんだった。
誤爆した時は本当にどうしようかと思ったよ。柄にもなく肝を冷やしたしどう言い訳すべきか考えたりもした。
そうしたら勇利が顔を真っ赤にして、突然俺の部屋に飛び込んできたんだ。
「ヴィクトルのバカ! こんな……、こんな恥ずかしくていやらしいこと……、僕に直接言えばいいだろ!」
そう言って肩で息をする勇利を抱き締めたのは完全に無意識だった。
「自分が何言ってるか分かってる?」「直接言って良いの?」「言うだけじゃ俺が満足しなくても?」
「ここに書いてあるような恥ずかしくていやらしいこと勇利にしてもいいの?」「勇利がもう嫌だって言っても止めてあげられないよ?」
俺の問いかけるたびに勇利は小さく頷いてくれた。黒髪から覗く耳は見たことないくらい赤くなっていたけどね。
その後俺たちが何をしたか、そしてどういう関係になったかは、まあ君たちも知ってるだろう?
連日このニュースで持ち切りだしね。俺だって自分が結婚するなんて、勇利に出会うまでは想像もしてなかったよ。
そういうわけで、このスレにはとても感謝してるんだ。本当にありがとう。
(V.N 28歳男性)