夏休みはまだ初日とか二日目だったように思うのだが、母親が昼食の用意をして仕事に戻ったのと入れ
違うぐらいのタイミングでプール帰りの妹が帰宅して疲れた様子でそのまま2階へ上がってしまった。
今、道で帰宅中の妹に出くわしたから「すぐに用意してあげて」と携帯で言われてさっきラップしたばかりの
皿やらから急いで剥いでいたところだったから、オイオイ待てよとも思ったが、どうにかこうにか半笑いを見
せた妹は具合が悪いのかと疑うほどにフラフラと階段を昇っていってしまった。
ところどころ絵柄のない部分が透明になったプールバッグはいつの間にか食卓のイスに置かれていて、こ
んな濡れた水着なんてのを放置しておくことを母親は極端に嫌う。そこは俺も似たのかな、いずれニオって
くるだろうし明日にはまた必要かもしれず、そんなこんなでちょっとイラついたがさっき俺が磨いたのでシン
クが今驚くほどキレイになっていることを思い出し、果実の香りの食器用洗剤に水着を浸けておいたら匂い
がついて面白いかもとの悪戯心が湧いて出た。