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女性の体から無数に伸びる腕と指。
体を覆いながらも上下に根を張るように這う、生々しくも鮮やかな赤い塊。
長辺が161cmにも及ぶこの巨大な油絵を描いた人物は「大塚咲」さん。
絵画に興味がない男性でも、この名前は聞いたことがある人はきっと多いのではないだろうか。

そう、彼女は’04年のデビューから’12年の引退まで、じつに700タイトル以上のAVに出演した元人気AV女優、大塚咲さんだ。
引退後は画家、写真家、モデルとして精力的に活動する彼女。創作活動に込める想いについて聞いた。

―そもそも、絵を描き始めたのはいつ頃からなんですか?

大塚咲(以下、大塚):子供のときから絵が好きなコでした。
中学校に入った頃には「作家として絵を書いていきたいな」と思ってましたね。
それからも独学でずっと絵を描いてて、AV女優として現役だった頃も描いていました。

―冒頭に紹介した「わたしのこと-Hello-」も含めて、大塚さんの作品には“指”をモチーフとした絵が多くあります。

大塚:指って欲望の象徴だと思っているんです。
もともと中学生の頃くらいから、「欲って何だろう」っていう疑問が自分の中にずーっとあって。
「もっと寝たい」「アレもコレも食べたい」とか、生きるだけだったら必要のない欲っていっぱいあると思うんですよね。
「人間ってなんで必要のない欲まで持ってしまうんだろう」って考えるようになって、中学生のときから大人になるまではその理由で肉を食べるのが嫌になっていました。
欲に対しての嫌悪感、みたいなものですかね。
そうした疑問が欲というものへの興味に変わって、AV女優になったきっかけのひとつになりました。

それで、21歳のときかな、真夜中のテンションだったと思うんですけど、ふと「欲って指なんじゃないか」とふと思うようになって。
例えばお茶を飲もうと思ったときに、「お茶を取るために手を動かそう」って改めて思わないじゃないですか。
脳から伝達を受けて動いてるのはいわかるんですけど、手そのものが理性とは異なる別人格なのかなって思うようになって。
意図せず動いてしまう指が、欲望の象徴として作品に多く出ているんだと思います。

続く

以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1303468

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