人道的に許されざるゲス行為というだけでなく、紛れもない犯罪だ。
ただ、時にはそうした「リベンジ」の意図はなく、元恋人との思い出をSNSなどにアップしてしまうこともあるかもしれない。
寝顔や海に行った写真など、たとえ悪意のない画像だったとしても「犯罪」につながってしまう可能性はあるのだろうか?
アディーレ法律事務所に聞いた。
まず、そもそも「リベンジポルノ」はどのような刑事罰あるいは民事訴訟の対象になるのか、おさらいしておこう。
「民事責任については、民法上の『不法行為』(民法709条)に該当するため、損害賠償責任を負う可能性があります。
また、犯罪に該当するので刑事責任を追及される可能性がありますね。
具体的には、別れた恋人の性交または性交類似行為中の姿や、全裸または半裸の姿の写真や動画を人物が特定できる態様で公開する行為は、『私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律』(以下、『リベンジポルノ防止法』)により規制されています」
(吉岡一誠弁護士、以下同)
さらに、わいせつ物に該当するとなれば、「わいせつ物頒布罪」が成立する可能性があるほか、性的な画像や動画の公開は別れた恋人の社会的評価を下げうるものであるため「名誉棄損罪」が成立する可能性もあるという。
では、それぞれの罪に対する量刑は?
「リベンジポルノの『公表罪』については3年以下の懲役または50万円以下の罰金(リベンジポルノ防止法3条1項)が科せられる可能性があります。
『わいせつ物頒布罪』については2年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金もしくは科料または懲役と罰金の併科(刑法175条1項後段)、『名誉棄損罪』については3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金(刑法230条1項)に、それぞれ処せられる可能性があります」
元恋人の尊厳を貶めた代償は、刑罰という形できっちり払わされることになるのだ。
実際に裁判に発展し、有罪判決が下ったケースもある。
「元恋人の女性が別の男性と交際していることに嫉妬心を抱き、腹いせに元恋人の顔や胸部等が撮影された画像データをインターネットの短文投稿サイトに投稿。
不特定多数が閲覧できる状態にした被告人に対し、リベンジポルノ防止法や名誉棄損罪の適用により、懲役2年・執行猶予3年の判決が言い渡されています(札幌地裁平成27年7月15日判決)」
それでは本題、性的なものではなく、悪意のない画像公開の場合はどうなのか?
「性的なものでない『普通の写真』をSNSなどで公開する行為については犯罪には該当しません。
しかし、肖像権侵害やプライバシー侵害として民法上の『不法行為』に該当し、損害賠償責任を負う可能性があります。
デートの思い出をつづる程度であれば、通常はプライバシー侵害などの不法行為にまではならないと思いますが、別れた恋人の現在の彼氏・彼女が嫌な思いをするなどして、思わぬトラブルに発展するケースもありますからね。
必ず許可を取るか、人物を特定できないようにするなどの配慮をすべきでしょう」
スマホを使って写真や動画を撮ることが当たり前になった今の時代、恋人との思い出も手軽に残すことができる。
だが、それを相手への配慮なくバラまいたり、「はらいせのネタ」に使うことは、相手はもちろん楽しかった思い出まで汚す行為であることを自覚しておきたい。
以下ソース
https://r25.jp/it/00056316/
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