戸叶和男の『日本奇習紀行』

いつの時代も権力者というものは、得てして、その力のままに、無力な一般人を虐げるものであるが、そうした被害に遭う人々というのは、その理不尽さをわかっていながらも、それに抗うことすらなく、権力者の意のままに、多くの辛苦を味わい続けるものである。

「そうですね、当時はあのあたりの人間はみんながみんな貧しい小作農ばかりでしたからね。名主様に楯突く人間なんていやしませんでしたし、そんなこと、思い浮かべることすらありゃしませんでしたよ」

かつて東北地方のとある地域で絶大な権力を誇り、“小農王”とまで呼ばれた名主による専横ぶりについてそう語りはじめたのは、現在、北関東の小さな町に住む元農業・川崎昭次郎さん(仮名・89)。
川崎さんの話によると、彼が生まれたその地域に君臨していたその名主は、文字通り、地域の人々を隷属させ、傍若無人の振る舞いを続けていたという。

「日常生活の締め付けが厳しかったのはどこも一緒でしょうけれども、あの名主さんは本当に酷い仕打ちばかりをする人間でしてね。
どの家の嫁も娘も、それこそ女という女は手当たり次第に手をつけては孕ませていましたよ……」

英雄色を好むとは言うが、その名主、地域の取りまとめ役としては、ある意味、“優秀”な辣腕家ではあったものの、同時に、酒と女に目がなく、複数の愛妾を囲っていたのはもちろんのこと、それだけでは飽き足らず、小作人たちの中にいる女衆をかき集めては、強引に関係を持ち続けていたという。
そのため、当地においては彼の子種を元に出産する女性が後を絶たず、まさに彼にとってはハーレムで、同時に小作人たちにとっては生き地獄のような悲惨な暮らしぶりが常態化していたというのだ。

「なにせどの家でも名主様に金を借りたりしていましたからね。
というか、そういう方向になるように持っていかれているわけですから、当たり前なんでしょうけども、そういう借財がどんどん膨らんでいって、やがてはどの家も、身一つしかない状態になってしまう。
そうなれば、嫁だろうと娘だろうと、言われるがままに差し出すしかない。かといって、そうした暮らしから逃れようとすれば、当然、夜逃げしかないですし、そうなると親類縁者や近隣のみんなに迷惑がかかるからそれもできない。
となれば、従うより他ないんです」

川崎さんの話によると、こうした名主による小作人への搾取は、彼が死ぬまで続き、その間、彼によって無理やり犯され、子供を生むことになった女性は数え切れないほどの人数に上るという。

こうした話は、なにも我が国に限ったことではなく、類話は世界各地にリアルタイムで存在しているが、やはり富や権力というものは、いつの時代も、その所有者如何で、数多の悲劇を生むものなのかもしれない。

以下ソース
http://tocana.jp/2017/08/post_14068_entry.html

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