はじめて社会病理学的視点から「痴漢」を解析した『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)。
本書を上梓した大森榎本クリニック(東京都)精神保健福祉部長の精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏に、痴漢の真相について訊く第2回目。
今回は、そもそも、なぜ特定の男性が痴漢に走るのか――という根源的な疑問に迫る。

『男が痴漢になる理由』によれば、日本ほど公共交通機関で日常的に性暴力が発生している国は世界的に見ても珍しいという。
日本にはこびる痴漢犯罪は、いつしか世界が知るようになり、「CHIKAN」といえば、外国でも通じることがあるまでになっている。

ならば、痴漢という犯罪は日本人しか行なわないのか――。「そうではない」と斉藤氏は説明する。
母国では<痴漢>という犯罪の存在自体を知らなかったのに、優秀な人材として来日し就職して満員電車で通勤するようになり、痴漢をするようになってしまう外国人も存在する。
斉藤氏が言う――。

「我々は痴漢も依存症のひとつとして捉えていますが、<依存症>というのは環境に対する適応的な行動のひとつでもある。
『満員電車という異常な環境への性暴力を介した適応的行動』が痴漢であると考えることもできるのです」

確かに朝のラッシュ時、乗車率が200%を超えることも珍しくない日本の満員電車は、異常なほどにストレスフルな場所である。
200%ならなんとか雑誌が読めるが、250%になると手も動かせない状態のことをいう。

だからといって、痴漢行為が許されることはありえない。いったい、どのような男性が痴漢を行為に至るのだろうか?

「痴漢をする男性のほとんどは、満員電車で通勤するサラリーマン。四大卒で会社では勤勉で真面目。結婚もしていて家では子どもの面倒もみるよき家庭人という人が、実は非常に多い」
「特に最近多いのは、30台の子育て世代です。その勤勉で従順な性格ゆえ、職場では長時間労働を強いられながら上司の理不尽な要求に応え、家ではイクメンを求められパートナーの高い要求水準に何とか応えようと努力する、心の休まる場所がない。
そのストレスを解消する行為として、通勤時間に痴漢をして発散する――というケースがとても多く見られます」

言うまでもなく、痴漢は犯罪行為。さらに、被害者には深刻な身体的・精神的苦痛を与える。
世間からは「そのような行為に及ぶくらいなら、まだ風俗でストレスを解消したほうがマシだ」という声が聞こえてきそうだが、痴漢加害者は潔癖なほどに「風俗嫌い」が多いという。

「擬似的な痴漢行為をできる風俗店もありますし、『そういうところであなたの欲求は満たせないのか?』と質問したことがありますが、『風俗店では決して代替できない』というんです」
「そもそも風俗店に行ったことのない人が多い。『風俗店なんて男が行くべきところじゃない。いかがわしい』と主張するくせに、痴漢はするのですから不思議です。このロジックも巧妙に認知のゆがみに利用される」

斉藤氏の分析によれば、風俗に行けば「性的欲求」は解消できるが、そもそも痴漢をする人は、性的欲求を満たすこと以外の何かを求めて痴漢行為をしている節があるという。

痴漢をする人の多くは、痴漢行為時に勃起すらしていない。なかには痴漢をしたあとに駅のトイレでマスターベーションをする人もいるが、その割合は決して多くはない。
このことからも、痴漢が性的欲求を満たすためだけの行為ではないことが分かるだろう。

続く

以下ソース
http://healthpress.jp/2017/09/post-3196.html

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