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＜作品名＞「女高生レポート 夕子の白い胸」(1971年 出演 片桐夕子)
沖縄返還協定が調印され、アポロ14号が月に着陸して、銀座にマクドナルド1号店ができた。そしてNHKは全番組をカラー化。
まだまだカラーテレビが全家庭に普及はしていなかった。これが1971年。
振り返ると、この頃、ようやく日本は実質的な意味で「戦後の終わりの始まり」を迎えたのかもしれない。このあとすぐに高度経済成長期が終わりを告げる。
当時10代になったばかりの私は、小学校の担任に沖縄返還の意味を尋ねたが、「それは大人になってから知ればいい」という回答に言いようのない不信感と疑念を抱いた記憶がある。
この年、日活ロマンポルノは社運をかけて産声を上げた。
第1作は有名な「団地妻 昼下りの情事」だが、同年公開された作品に「女高生レポート 夕子の白い胸」(近藤幸彦監督)がある。
白川和子や宮下順子らとロマンポルノ初期を支えた片桐夕子の初主演作だ。
役名も「片桐夕子」として、バレーボールに打ち込み、コーチに恋をする女子高生を演じている。
片桐夕子の肢体の魅力が大きい映画だが、作品として見た場合、10代女子の繊細な心理が丁寧に描き込まれていると思う。
バレー部のコーチである教師を好きになって迫ったものの、「教師と生徒とでそういう関係になれない」と断られたときの夕子の寂しさ。
だが教師は別の女子生徒に自宅にやってこられ、「先生が抱いてくれないなら、マンションから飛び降りるか、裸で廊下に出て襲われたと言ってやる」と脅されたとき、やむなくその生徒を抱いてしまう。
若い男性教師の危うさも描かれている。
彼はバレーのコーチ修行としてブラジルへ行くことになり、ついに夕子と男と女になろうと決意する。
だが夕子は彼のマンションのエレベーターでチンピラに陵辱されてしまう。
それを発見した教師は、彼女を介抱、抱いてほしいと頼まれるができなかった。
「私は汚れた」と絶望的になる彼女を、教師は以前合宿に行った山へと誘う。
だが夕子は待ち合わせした駅のホームで教師の姿を認めながらもそばへ行けない。なんともせつない女心。
そのまま遊んでいる女の子グループに巻き込まれて不本意なセックスをする夕子。ぼうっとした意識の中で、彼女は愛する先生に抱かれている夢を見る。
一方の教師はひとりで登山に向かい、滑落してしまうのだ。
救いのない結末だが、10代の女の子の性の危うさがリアルに描かれていることに唸ってしまった。
以下ソース
http://www.dansen-web.com/article/detail/7497365/
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