戸叶和男の『日本奇習紀行』

いわゆる“婚礼の儀式”というと、皇族・王族などによる国を挙げての華やかな一大祝賀行事を思い浮かべる人も少なくないだろう。
しかし世の中には、こうした巨大な祝賀イベントとは一線を画す、なんともひっそりとした、不思議な儀式も存在している。

「なにせ祝詞もなければ、挨拶すらないわけだから、ホントに静まり返ったもんだよ。それにそもそも、花嫁花婿は式の日まで会うことすらないんだからね」

東北地方のとある地域にかつて存在していたという、一風変わった“婚礼の儀式”についてそう語りはじめたのは、同地方に今なお暮らす自営業・藤岡尚道さん(仮名・84)。
藤岡さんの話によると、同地で行われていたというその儀式は、その大半が“沈黙”と“秘密”によって覆い隠されているのだという。

「まず、結婚する相手は、村のね、世話役の人が中心になってさ、適齢期の子らを勝手に組み合わせて決めるの。けど、それが決まっても、本人たちにはお互いのことは教えずに、いつ頃に結婚するということしか知らせない」

たしかに、世界中を見渡してみると、こうした“ぶっつけ本番婚”とも言うべきある種の強制マッチングじみた婚姻というのは、少なからず存在しているが、同地における婚姻は、その当日においても、なんとも不思議な様相を呈しているという。

「当日はね、花嫁花婿は着替えたあとでさ、目隠しをされちゃう。それで迎えにきた村の世話役たちに手を引かれてね、式の会場まで行くの。その間ね、本人たちはもちろんそうだけれども、周りの人も全員が一言も口を利いちゃいけない。それで会場に着くでしょ。そしたら、神職の人がね、無言で、身振り手振りだけで、まじないみたいなのをやって、それで終わり。
その間、誰一人として何も言葉を発しないしね、咳払いひとつしやしない。本当にしんと静まりかえった儀式なんだよ」

極端すぎるほどにしんと静まり返った沈黙の中で、粛々と進められる“婚礼の儀式”。その沈黙は、その後も暫く続けられるのだという。

「式がね、終わるとだけども、花嫁花婿を残して、みんな外に出るんだよね。
それで、最後の一人がね、彼らの肩をポンと叩くわけ。そしたら、目隠しをとらないままで、そのまま最初の交わりをするのよ。
うん、そのときだって、声を出しちゃいけないからね、妙な雰囲気だと思うよ」

関係者すべてが退座した後で、お互いの顔すら見えぬままに、肉体を貪りあい、最初の交わりを行うという新郎新婦。
その後、その一部始終を物陰から観察している見届役の世話人は、それぞれが果てたことを確認するや、再び現れると、無言で彼らの衣服を整えて、往路と同様に目隠しのまま手を引き、それぞれの実家へと帰すのだという。

これが同地における“婚礼の儀式”の全容だ。

「しばらくしてさ、その交わりで子どもがね、できたらさ、そこで正式な夫婦になってね、そこからは一緒になって普通に暮らすことができるんだけれども、子どもができていなかったらね、夫婦にはなれないの。
今にして思うと、なんだかおかしな習慣だよなぁ」

このなんとも不可思議な儀式を経ても、結婚まで漕ぎ着けることのできなかったカップルは、その後、再び世話人たちからお声がかかるまで、無条件に独身でいることを強制されるのだという。

自由恋愛が当たり前となっている当世の人々からすれば、なんとも理不尽極まりないシステムであるが、藤岡さんの話によると、正式な夫婦になれる確率は「ほぼ6割くらい」とのこと。
この確率を高いと見るか、低いと見るかは、大きくその見解がわかれるところかもしれない。

以下ソース
http://tocana.jp/2017/11/post_14727_entry.html

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