前回記事で取り上げた痴漢の実像に迫る話は「男なら誰もが潜在的な痴漢予備軍」という驚きの内容で反響を呼んだが、今回は斉藤氏が「性犯罪者の中で最も治療が困難」という小児性犯罪について伺った。
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「大人になったらいずれ経験することだから、僕が教えてあげる」
そうして声を上げられない子どもに迫り、身勝手な自分の欲望のまま、性暴力に走る――。
成人男性による幼い子どもに対する性暴行や拉致・監禁など凄惨な事件は後を絶たないが、「もし自分の子どもが被害にあったら…」と想像すると、崩れ落ちるような絶望感と、加害者への煮えたぎるような怒りでまともな精神状態ではいられないはずだ。
だが、斉藤氏は「女児だけでなく、男児も被害に遭うことがある。小児性犯罪の危険性は決して他人事ではなく、いつどこで起きるかわからないということを忘れてはいけません」と警鐘を鳴らす。
そうであるなら、小さな子どもを抱える親にとっては、小児性犯罪の実態を知ることが我が子を守る第一歩となる。
まず、その定義について斉藤氏がこう説明する。
「アメリカ精神医学界が発行している『精神疾患の分類と診断の手引き』では、小児性愛障害として、
A.少なくとも6カ月にわたり、思春期前の子ども、または複数の子ども(通常13歳以下)との性行為に関する性的に興奮する強烈な空想や性的衝動、または行動が反復する。
B.これらの性的衝動を実行に移したことがある、またはその性的衝動や空想のために著しい苦痛、または対人関係上の困難を引き起こしている。
C.その人は少なくとも16歳で、基準Aに該当する子どもより少なくとも5歳は年長である
と定義されています」
では、国内で小児性犯罪がどれくらい起きているのだろうか。
「小児性犯罪の行為の形態が多岐にわたるため実数は明らかにされていませんが、声を上げられない子どもだからこそ、この種の犯罪は表面化しづらいんです。
痴漢の件数は潜在的なものも含めれば年間10万件以上起きていると推測しますが、小児性犯罪は恐らく同等か、それ以上の件数になると見ています」
性依存症の治療を受けにクリニックへ来院する性犯罪者は昨年までで延べ1116人になるそうだが、「小児性犯罪の加害者は5%程度」という。
驚いたのが、「そのうちの6〜7割が保育士や学校教員、医師など、なんらかの形で子どもと関わる職業に就いている」という点だ。
続く
以下ソース
http://wpb.shueisha.co.jp/2017/11/18/95063/
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