でも、例外もあります。それは、“自ら心を開く”お客さんに出会った時。そしてそのとき必ずこう思うのです――風俗で出会いたくなかった。
今回は、そんなお客さんに出会った風俗嬢のさえこさん(30)の恋が生まれてから終わるまでをお話ししたいと思います。
最初の出会いは深夜のホテル。お客さんとして部屋で待っていたAさんはかなり酔っていたという。飲み会からのキャバクラ、締めの風俗。酔っていたAさんは呑みすぎていることもあり、そのまますっかり寝入ってしまった。
「あのぅ」さえこさんはなんとか起こしてプレイ時間とお金をもらおうと、何度も身体を揺らした。うっすら目を開いたお客さんは、
「ごめんね。こんな状態で呼んで。こんなんじゃなにもできないから、時間が来るまで寝ていてください。時間が来たら帰っていいから」
そう言い残し、再びまぶたを閉じてしまった。何もしないでお金をもらえたさえこさんは正直、「ラッキー」と思った。「もう会うこともない」、そう思いつつお客さんの隣で横になり、タイマーが鳴るのを待った。
年齢は40歳くらいだろうか。結婚はしているのかな。なぜこんなにも酔っているのに、私を呼んだのだろう。訊きたいことが山ほどあったが、時間まで目を閉じた。
その週末、さえこさんの予想に反し、Aさんは彼女を指名した。
「あの日は、打ち上げで飲み会があって接待されて断れなかったんですよ」
Aさんは開口一番、そう言った。Aさんの仕事は建築の現場監督で施主や下請け、元請けなどとの飲み会が絶えないと愚痴をこぼしていた。
お金払いもよく、喋っていても面白い。そんなAさんはいつの間にか、さえこさんの常連さんになっていた。会話をするためだけで呼ばれたこともある。「仕事の愚痴を言いたかっただけ」といい、高額なお金を払ってさえこさんを呼んだ。
さえこさんが「お金をもらってるから、お願い。仕事をさせて」と何度言っても、Aさんは首を横にふって、「いいんです。さえこさんに会いたかっただけですから」と、敬語で応答した。
「いいんです。さえこさんに会いたかっただけですから」
さえこさんの心には、いつしかAさんが住みついてしまっていた。認めたくない事実だった。
そんなある日、「駅前の現場にいるから来なよ」と、軽く職場に呼び出された。ラブホテルでしか会ったことのないAさんはまるで別人に見えたという。現場監督のAさんの仕事姿を目の当たりにし、さえこさんは男として見るようになってしまった。
その頃Aさんは5階建てのビルを監修していた。上棟から竣工までのあいだの半年間毎日といっていいほど現場事務所に通った。ビルが出来上がっていくにつれ、好きの速度が上がっていった。いつの間にか、ふたりは付き合うようになっていた。Aさんは最初の頃は敬語で喋っていたが、竣工した頃には「さえこ」と呼び捨てで呼び、心と身体を重ねる間柄になっていた。
お客さんに恋をし、さえこさんは風俗の仕事を休みがちになった。幸い昼間、パートで事務員をしていたので、風俗はやめようと思っていた。Aさんは風俗嬢であるさえこさんを受け入れ、旅行やいろいろな現場にも連れていった。
けれど、そんな甘い付き合いも長くは続かなかった。Aさんと連絡が取れないと「風俗に行っているのでは?」と疑るようになり、不安から執拗にメールを送り、電話をしたり、あげくストーカーのように執着をするようになってしまった。
現場を聞き出して勝手に行くようになり、とうとうAさんは眉間にしわを寄せるように。メールの返信も来なくなり、「忙しい」「忙しい」と、さえこさんを避けるようになっていった。疎ましい存在になっていったのだ。
続く
以下ソース
https://joshi-spa.jp/783421
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