Twitterで「#女性専用の街」というハッシュタグが流行っている。この流行は、先週から始まった。
あるツイッターユーザーが、「女性専用の街があったら、夜の9時でも買い物に行けるし、深夜早朝の勤務もできる。気を引き締めなくても、後ろを気にしなくてもいい。足音、自転車の車両の音、バイクの音に振りかえらなくてもいい」といったツイートしたことがきっかけだ。
当初このツイートには、女性ユーザーから賛同の声が数多く寄せられたが、一方でこれに「男性差別だ」「現実的でない」と憤る声も増加し、議論が交わされている。

紹介したツイートの趣旨は、女性がいかに普段から性暴力に対して不安を抱いているのか、をわかりやすく示したものであって、実際に女性専用の街を作ろう、という提案ではないだろう。実際、「平成28年度犯罪白書」によれば、強姦の認知件数は平成27年度で1167件、強制わいせつは女性が6596件、男性が159件となっている。これはあくまで認知件数であり、実際にはそれ以上の被害がある。つまり性暴力は日常的に、しかも女性をターゲットにしたものが数多く行われている、ということだ。
「#女性専用の街」は現実逃避的な空想かもしれないが、論点は「性暴力に怯えない暮らしをしたい」である。しかし「インフラ整備はどうするのか」等、実現可能性を問う類の批判に、「#女性専用の街」賛同側が「労働力として一部の男性を街に入れる」「テクノロジーが進化することで問題は解決する」といった応答をしたことから、論点が「思考実験としての『女性専用の街』」にずれてしまった。実現可能か荒唐無稽な妄想か、という議論や、こうした設定をモチーフにしたSFの話に移行してしまったのである。批判に対する応答の中で、「男性を女性に都合よく利用する」ようなツイートもみられた。
結果として、本来の論点であった「女性がいかに普段から性暴力の不安を抱いているか」という問題がうやむやになってしまったように見える。
性暴力の問題を軽視する傾向は、昨年のハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが明るみになったことや、はあちゅうによるセクハラ告発を引くまでもなく、いまも強くはびこっているものだ。これを受け止めない態度こそが、論点をずらしているのだろう。まずは現実を直視し、日本が社会としてこの問題を認識することだ。

一方で「#女性専用の街」の流行に対しての違和感もある。
「#女性専用の街」のツイートの中には、無条件に「女性だけの街は素晴らしい」と考えているようなものがある。男性に対する敵対視や警戒心が強くなりすぎたあまりだろうか、男性嫌悪の反動として「女性は安心安全であり、優しい生き物だ」という、保守的な「女らしさ」を強化するような価値観が根付いているように見えるからだ。
これでは結果的に、「母性のある女性が、育児や家事などケア労働を担うべき」という「女らしさ」を押し付ける、保守的な価値観に与することになりかねない。求めていることは「女らしい女」の地位向上ではなく、「人間」として公正に扱われることなのではないだろうか。

続く

以下ソース
http://wezz-y.com/archives/51769

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