【A】
この“暗号”が通じるのは、日本だけというのは容易に想像がつく。小指はともかく、親指を立てるしぐさは多くの国で「グッド」を意味するだろう。
そこで日本の古典に詳しい人物に聞いたところ…。「男女を意味する“指サイン”が日本の書物に初めて登場したのは、江戸時代後期の滑稽本『浮世風呂』だといわれています」との答えが返ってきた。
滑稽本とは小説の一種で、庶民の日常生活中の面白エピソードをテーマにしたもの。「浮世風呂」の作者・式亭三馬(1776〜1822年)は弥次さん、喜多さんの珍道中を描いた「東海道中膝栗毛」の作者・十返舎一九と並び「滑稽本の第一人者」とされている。
その「浮世風呂」の中で、がっしりした太い親指が男に、きゃしゃな小指は女に見立てられた。なぜ、このようなサインが必要だったかは時代背景を考えれば見えてくる。姦通罪があった当時、庶民が男女の秘め事について大っぴらに話すことは不可能。そこで、立てた小指に「愛人」の意味を持たせ会話が成立したのだ。
それにしても、江戸時代に一人の作者が記した“隠語的ジェスチャー”が今でも通用するとは恐るべし。式亭三馬の人気ゆえ、本と同時にジェスチャーも広まっていったに違いない。
以下ソース
http://www.dansen-web.com/article/detail/3181993/
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