「男性にとっては切実です。女性は性行為だけでなく、その後の触れ合いを望んでいるのに、頭が痛くてできない。女性に『私のことを愛していない』と勘違いされてしまう。発症年齢には、２０歳代前半と４０歳前後の２つにピークがある。この年代はちょうど恋人や妻を見つける時期なので、相談もできず悩むことも多いのです」
こう話すのは、頭痛に詳しい「秋葉原駅クリニック」（東京都）の大和田潔院長。性交時頭痛に悩む人は意外に多く、同院の場合には月２〜３人、ガールフレンドと一緒に来院する患者もいるという。
性交時頭痛は、主に２つのタイプがある。「オルガズム前頭痛」は、首の辺りのコリ（筋収縮）を自覚する頭から首にかけての鈍痛で、性行為中に起こり、性的興奮で痛みが強くなる。そして、約８割を占めるのが「オルガズム時頭痛」で、オルガズム（性的絶頂）に達した瞬間に突然、爆発性の激しい頭痛に襲われる。強い痛みは最初の５〜１５分であることが多いが、数時間から１日持続する場合もあるとされる。
しかし、なぜこれらの頭痛が性交時に起こるのか、発生機序（＝メカニズム）はよく分かっていない。
「私の考えではオルガズム時頭痛の場合、性交中はアドレナリンが多く分泌されて、血管が収縮して心拍数も上がり、交感神経優位の状態です。それがオルガズムに至ると一気に副交感神経優位に切り替わり、血管が拡張して片頭痛と同じような機序で頭痛が起こるのではないかと考えています」（大和田院長）
休日に片頭痛が起こる「週末頭痛」も、仕事のある月〜金は交感神経優位の状態で、休日になって緊張が解けると頭痛が起こる。それが性交の短時間で起きているのではないかというわけだ。また、運動時頭痛などの労作性頭痛で共通するのは「息こらえ」。踏ん張ることが頭痛の誘発に関係している可能性もあるという。
性交時頭痛は女性にも起こるが、男性の方が３〜４倍多い。女性の場合はオルガズムに波があって分かりにくいが、大半はホッとする性行為後に頭痛が起こるケースだ。大和田院長は「性交時頭痛は一生続くわけではありません。治療では、ある種類の痛み止めを使います。労作性頭痛では、治療しているうちに頭痛が起こらなくなる人がほとんどです」と話す。恥ずかしがらずに早めの受診をお勧めする。
以下ソース
http://www.zakzak.co.jp/lif/news/180224/lif1802240001-n1.html
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