どんなに健康な人でも年に一回くらいは「風邪引いたかも……」と悪寒を感じることがあるだろう。非常に身近な病気であるにもかかわらず、実は「風邪」という病気そのものに効く薬は存在しない。だが最近、風邪の特効薬になりうる化合物が見つかったかもしれないと話題になっている。今月14日付の英「BBC」ほか、多数メディアがこのニュースを報じている。

薬局やドラッグストアに大量に並んでいる風邪薬。現代の日本人なら誰もが一度は手に取ったことがあると思うが、風邪薬には喉の痛みやせき、熱や鼻水などといった症状を改善させる効果はあるものの、病気そのものには効かない。病院で処方される風邪薬も同様で、飲めば風邪の症状をやわらげてくれるが、風邪という病を根本的に治してはくれないのだ。

なぜ風邪を治す薬が存在しないのか? 風邪のほとんどはウイルスによる感染症であるため抗生物質(抗細菌物質)は役に立たず、しかも原因となりうるウイルスが多種多様すぎるために抗ウイルス剤の作りようもないのである。風邪を治すにはしっかり休養を取って、体内の免疫力を高めるしかないのが現状だ。

しかし、それも過去の常識となるかもしれない。最近、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らが、風邪の特効薬となりうる物質を発見したと発表したのだ。その化合物「IMP-1088」がターゲットにするのはウイルス自体ではなく、ウイルスが利用する人間のタンパク質に作用するため、多種多様なウイルスに対応できるという。

今月14日に学術誌「Nature Chemistry」に掲載された論文によれば、IMP-1088は人間の細胞内にあるN-ミリストイルトランスフェラーゼ(NMT)というタンパク質に作用し、ウイルスの増殖を防ぐ働きをもつ。

人間の体内に入り込んだ風邪ウイルスはNMTを「ハイジャック」し、自らを複製するのに利用する。だが、IMP-1088の作用によってNMTとウイルスの結合が阻害されるため、ウイルスの増殖は防がれるという。ターゲットが人間側のタンパク質なので、耐性ウイルスが出現する恐れもない。

さらに興味深いことに、風邪ウイルスだけでなくマラリア原虫など様々な病原体もNMTをハイジャックすることが知られている。つまり、IMP-1088は風邪以外の感染症にも効果を発揮する可能性があるのだ。

この研究を率いるインペリアル・カレッジ・ロンドン化学部のエド・テート氏は、プレスリリースの中で、風邪には重篤な合併症を引き起こす可能性があることに触れ、IMP-1088のような薬を感染初期に使うことは非常に有益であると指摘している。そして、肺にすばやく届く吸引薬を開発中だとも明かした。

こうなると気になるのは一般への発売であるが、残念ながらそれはまだ先のようだ。科学メディア「Science Alert」によれば、IMP-1088はまだヒト細胞での実験のみが行われただけで、動物での毒性試験も行われていないという。風邪の特効薬を手にしたと喜ぶのは、まだまだ時期尚早ということだ。

開発できたらノーベル賞ものとさえいわれる風邪の特効薬。今回の化合物が本物ならば、世界中の多くの人々を救う、まさに世紀の発見となるであろう。

以下ソース
http://tocana.jp/2018/05/post_16910_entry.html

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