“フェチの大御所”と言っても過言ではない睦月影郎氏が毎回、本当のフェティシズムを熱く語る本コラム。今回はフェチの奥深さを追求する。
今まで、多くのフェティシストに会ってきたが、大部分は女性の各部分の匂いや、脚や尻などの部位に関するもの、あるいは特定の下着や衣装、つまり女性関連の物が全てであった。しかし中には、女性とは全く関係のないフェチというものも、また存在するのである。
それは例えば、レザーだとかラバーなどの質感に包まれるだけで良いという人たち、あるいは女性のナマの匂いのない新品の下着が好きという人もいる。これは自分が着けてしまい、女装マニアになる人もいるし、レザーやラバーのコスチュームを着るだけでエクスタシーという、いわば女性不在の、自己完結型という人たちがいるのだ。
もちろん好みは人それぞれではあるが、これは私の言うフェチとは少し違い、やはりマニア、コレクターというジャンルではないかと思うのである。なぜなら、私の言うフェチ道は、相手の女性への恋心が基本になっているからだ。
また中には、してはいけないものフェチ。例えば、美女がお札を破るところに興奮とか、和室に土足で上がる美女に萌えるとか、これはアリである。本来、清く美しい女性がいけないことをするのだから、興奮して当たり前である。
これが、やがて鞭打ちとか顔面騎乗の興奮につながるのであり、清くも美しくもない女性がしても興奮しないのである。いや、逆に好みでない女性に虐げられる興奮という、もう一段階上もあるから奥が深いのだ。
まあ、生身の相手に何かしてもらう悦びはもうフェチではなく、SMプレイになるのでその話は省く。とにかくフェチというのは、人々が見過ごしている陰に蠢くものだから、仲間など集わず孤高を保つのが正解だろう。もともと人に理解などされなくて当たり前、と思っていなければならない。
例えば唾液フェチなら、簡単に垂らして飲ませてくれる女性の唾液より、手の届かぬ貴婦人の使ったグラスをそっと舐める方が興奮するだろう。摂取する量は少なくても、相手の知らないところで蠢く快感というものは、真のフェチでないと分からない。
いわば届かぬ恋への、ささやかな慰めの行為なのである。まあ自己完結と言えばそれまでだが、人それぞれの思い入れというものがある。だからフェチ男の成功した喜びの体験談を聞くのは、単にノーマルなセックス体験よりずっと面白いのだ。
以下ソース
http://www.dansen-web.com/article/detail/4929784/
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