史上空前の大規模なDNA解析調査によって、人の学業達成度に関係する1200箇所以上の遺伝子が発見された。

これまで、いわゆる「双子調査」などから、(最終学歴など)学業達成度は(家庭環境などと並んで)遺伝的要因に左右されると見られていたが、それに関する多数の遺伝子が判明したのは、今回が初めてとなる。
が、こうした研究成果に対しては「(危険な)優性思想の復活につながる」との懸念も囁かれている。

今回の研究を実施したのは、米国のミネソタ大学やコロラド大学等の共同チーム。
彼らは2011年頃から(他の科学者らによって)収集され始めた米英2ヵ国約74万人分のDNAデータ(=ゲノム)と、米国の遺伝子検査会社23andMeから(ユーザーの同意を得て)提供された約36万人分のDNAデータを足し合わせた。
ここから得られた約110万人分に上るDNAデータを「GWAS(全ゲノム関連解析)」と呼ばれる手法で解析し、それによって「学業達成度(Educational Attainment)」に関連する1271箇所のSNPを見つけ出した(ただし今回の調査対象となったのは全て欧州系の先祖を持つ人のDNAデータで、アジア系やアフリカ系などは含まれない。より普遍的な研究成果を導き出すためには、今後、こうした人々のDNAデータも含める必要がある)。

ちなみにSNPは「Single Nucleotide Polymorphism(一塩基多型)」の略で、これは人のゲノム(DNA)を構成する約32億個の文字(G、A、C、Tのいずれか)のうち、特定の場所(遺伝学の専門用語では「遺伝子座」と呼ばれる)にある文字(塩基)が人によって異なることだ(図1)。
このSNPは厳密には「遺伝子」と完全に重複する概念ではないが、人間の能力や外見、性格など何らかの形質を生み出すという点では、両者はほぼ同義と考えても、それほど間違っているわけではない。

同様の研究は、実は以前にも行われている。2016年に南カリフォルニア大学で実施された研究では、約30万人分のDNAデータをGWASで解析し、ここから学業達成度に関係する71箇所のSNPを見つけ出した。
しかし、こうしたSNPは全部で1万箇所以上に及ぶと見られており、その中から71箇所程度を探し当てただけでは、何らかの意味ある結論を導き出すのは難しかった。

ところが今回、ミネソタ大学などの共同研究チームは、解析対象となるDNAデータの数を110万人分へと大幅に拡大することによって、学業達成度に関する1271箇所ものSNPを見出すことに成功した。これは、この種のSNP全体の約11%に当たると考えられている。
共同研究チームは、これらのSNPデータを合算して「Polygenic Score」と呼ばれる一種の指数を編み出した。この指数を使って、4775人のアメリカ人を対象に分析したところ、指数の下位20%(下から20%)に属する被験者の大学卒業率は12%だったが、上位20%(上から20%)に属する被験者では同57%に達した。
また同じく指数の下位20%では(高校や大学などにおける)留年経験率が29%に達したのに対し、上位20%では同8%に過ぎなかった。
さらに、今回の調査では脳科学的な分析結果も導き出している。それによれば、学業達成度に関与する多数のSNP(≒遺伝子)はDNA上でランダムに分散しているわけではなく、脳を構成する無数のニューロン(神経細胞)が外部からの刺激に応じて、相互接続する際に機能する遺伝子にリンクしているという。
このように「何らかの刺激(情報)に対応するニューロン接続」は、従来から脳科学の分野で提唱されている学習過程その物であり、今回の大規模なDNA解析調査は図らずも、それを裏付けた格好になる。

続く

以下ソース
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56804

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