海外ニュースサイト「Oddity Central」(8月24日付)によると、かつてオークランドの11番通りと19番通りの近隣は、ゴミの不法投棄、落書き、薬物売買、強盗、売春、暴行事件などあらゆる犯罪の温床になっていたという。しかし、ある日、地元に住むダン・スティーブンソンさんが、平穏を願って60cmほどの仏像を道路の脇に設置したところ、犯罪行為が激減していったそうだ。
設置後すぐに不法投棄が減少、さらには地元住民がこれまで不法投棄されていたゴミを片付け始めたことで、犯罪者にとって住み心地の悪い場所になったのか、ドラッグの売人や違法売春婦も別の場所に移っていき、落書きもなくなったという。
しばらくすると、地元のベトナム人移民が仏像にお参りするようになり、徐々にその規模が拡大。スティーブンソンさんの了承のもと、台座などが設けられ、小さいながらも立派な祠となり、ベトナム語で「平穏」を意味する「Phap Duen Tu」という名前まで付けられたそうだ。
そのような経緯で在米ベトナム人移民の「聖地」となった同地では、あらゆる犯罪がなくなっていった。地元警察のデータによると、2012年から2014年の間に、強盗は14件から3件に、暴行事件は5件から0件に、窃盗は8件から4件に、薬物中毒者は3人から0人に、売春は3件から0件になったという。
「この仏像はこの土地のアイコンになりました。仏教徒じゃない住民も多くいますが、彼らも仏像の前で犬の散歩なんかしながらご近所さんとお喋りしてます。ここは近隣住民が集う場所になっているんです。素晴らしいことです」(スティーブンソンさん)
ちなみにスティーブンソンさんによると、置くのはキリスト像でも何でも良かったが、キリスト教は米国内で色々と問題がある一方、ブッダは中立なので採用したのだという。非仏教徒の近隣住民が仏像を受け入れたのもそのためだろう。
ところで、なぜ仏像の設置で犯罪が激減したのだろうか? 「Oddity Central」はその理由を解明していないが、これは「割れ窓理論」の典型的な事例だとトカナ編集部は考えた。割れ窓理論とは、建物の窓が割れていると、「住民がその場所に関心を示していない」というサインとなり犯罪の温床になりやすいという環境犯罪学上の理論だ。
今回のケースは不法投棄が「住民がその場所に関心を示していない」サインとなり、あらゆる犯罪者が集まってきたと考えられる。そして、仏像が設置されたことで住民が関心を示し、ゴミが一掃されたことで、犯罪者がよりつかなくなったというわけだ。しかし、ここまで顕著な結果が出たのは、仏像の神秘性や霊力との相乗効果もあるかもしれない。
この小さな仏像が住民から愛されている限り、犯罪者が寄り付くことはないだろう。
以下ソース
http://tocana.jp/2018/08/post_17961_entry.html
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