いまさら競馬なんて……、というなかれ。競馬場で時間を過ごしていると、若い頃には感じることのなかった利点に気づく。自宅で寝転がりながらテレビを見ているより、体力強化や老化防止、さらに精神修養にもなる。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、競馬にまつわる心身を鍛える通説について考えた。

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まずレース検討から頭を使う。

過去この馬はどの距離でよく走っているか、あるいはどの競馬場で走っているか、左回り右回りどちらが得意か。休み明けでも走っているか。脚質的には逃げ先行か、差し追い込みか……こういった情報は競馬新聞のわずかなスペースに詰まっている。目を付けた馬だけでなく、他の人気馬との比較、展開の予想、鞍上との相性。与えられた情報を具体化し、ときに頭の中でレースまで再現させてみることで、想像力が養われる。こういった思考回路は、競馬以外ではあまり使わないのではないだろうか。

競馬場へ行けば運動にもなる。

レース前には観覧席からパドックに向かう。競馬場によってはけっこうな距離があるが、せっかく来たのだから見に行くべきだ。「止ま〜れ〜」の合図があって騎手が乗るときの様子を確かめたら、急いで観覧席へ。返し馬はさらに馬券検討に直結する。騎手との呼吸が合わず、口を割って走っているような馬がいる。もともと折り合いに難がある馬。これでいいのだろうかと疑問がわく。これらを総合的に判断しなければならない。

急いでマークカードに記入して売場に走る。1日12レースこれを繰り返すと相当な距離を歩くことになる。しかも時間が限られているから早歩きになる。馬券を買う段になってまた頭を使う。久しく使わなかった計算脳だ。

三連単フォーメーションの1着にAとBの2頭、2着にはABのほかC、Dも加え、3着にはABCDのほか、さらに人気薄のEFGをつけて100円ずつ。さあ、これで何通り? これにAから馬連と馬単でBCDに200円流し、ワイドでAからEFGに300円ずつ流す。合計でいくらだ?(*答えは文末に)

もちろん発売所では何通りか教えてくれるし、勝った馬券の合計額もわかるが、あらかじめ計算しておいた方が時間も節約できるし、計画的に馬券を買っていくことができる。命の次に大事なお金、それが大きく膨らむかゼロになるか。この非日常的な緊張感が精神を活性化させる。

レースが始まる。集中して自分が勝った軸馬が3コーナーあたりからスパートをかけた、4コーナーでは中段まで追い上げた。逃げる馬とはまだ7、8馬身、しかしその勢いが鈍ってきた。わが軸馬が追い上げる。思わず騎手名を連呼する。誰も文句などいわないし、不審にも思わない。大声を出すなんて久しぶりだ。ゴール前で捕らえてそのまま駆け抜ける。「やった〜!」。この爽快感。ストレス解消にもなる(当たればだけど)。

そして競馬場では孤独に強くなる。CMでは美男美女の4人組がワイワイ楽しげに過ごしているが、歳をとるとそんな仲間もいなくなる。周囲を見渡せば、独りで黙々と検討しているのはほとんどが中高年。「儲ける」ために、仲間は必要ないのだ。

(*の答え 三連単は30通り、合計は5100円)

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20180901_748378.html

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