池田所長によると、相対的に見て、墨田区、台東区、荒川区、品川区あたりは死者発生リスクが高く、板橋区は災害リスクが低いといえるが、東京23区に安全と考えていい場所はないという。また、共助を基本とする「安心」の面では、地域コミュニティのつながりが強い下町のほうが進んでおり、逆に都心のタワーマンションなどは「安全」な一方でリスクも存在する。
後編では、海抜ゼロメートル地帯の洪水リスクや水害の現実について、さらに池田所長の話をお伝えする。
――東京23区には海抜ゼロメートル地帯も多く、豪雨による洪水リスクが懸念されています。
荒川は200年に一度の大雨を想定して治水対策が行われており、それ以上の雨が降ると決壊のリスクが高くなります。以前は「そんなこと、まず起こらないだろう」とも思えましたが、200年に一度の大雨というのは3日間の総雨量が548ミリで、今やいつ起きてもおかしくない状況です。そのため、国土交通省は「200年に一度」ではなく「1000年に一度の大雨」でシミュレーションを行い、各自治体もこれを踏まえたハザードマップの見直しを行っています。
仮に荒川が決壊すれば、北区のJR赤羽駅などは大きな被害を受けるでしょう。しかし、それ以上に東部3区(足立、葛飾、江戸川)は壊滅的な被害に見舞われます。海抜ゼロメートル地帯が7割に及ぶ江戸川区は西半分で建物の1階部分が完全に水没し、東側を含めて区の全域が水浸しになるため、逃げ場がなくなります。
同区は、スーパー堤防で守られている荒川西岸の大島小松川公園や千葉県市川市の国府台台地を避難場所に指定していますが、それには氾濫している荒川や江戸川を渡らなくてはならず、事実上避難はきわめて困難になります。実際は、建物の高層階に逃げる「タテ避難」を行うほかないと思います。これらについては、10月上旬に上梓予定の『なぜか惹かれる足立(仮称)』(ワニブックス)に詳述しています。
――東京23区の水害リスクは、想像以上に厳しいものになりそうですね。
もっとも大きい被害が想定されるのは、足立区の千住です。千住地区のほぼ全域が5メートル以上の水の底に沈むとされています。そうすると、何が起きるか。低いところに流れていく水は地下鉄に流れ込みます。北千住駅には複数の路線が走っていますが、なかでも千代田線は完全に地下構造です。いわゆる鉄砲水が押し寄せ、構内は水道管と化してしまいます。東京メトロも入り口をシャッターで封鎖するなどの対策を行うはずですが、非常時にそれが間に合うかどうかはわかりません。
地下鉄を伝って、水は都心に流れ込んでいきます。次に起きるのは、地下街の水害です。これは、逃げ場のある地上とは比べものにならないほど恐ろしいものです。やがて、マンホールからは水が噴き出し、都心全体が水浸しになるでしょう。また、停電が起きればマンションなどのエレベーターが止まり、水を供給するポンプも停止します。前回も申し上げた通り、特にタワーマンションの高層階などでは孤立のリスクが高まります。
さらに、今は水道インフラが老朽化しているため、福岡県福岡市で発生したように地盤が陥没して地面に大きな穴が開く可能性もあります。そうなると断水が長引く上、共同溝が被害を受ければライフラインのダメージはさらに大きくなります。
続く
以下ソース
https://biz-journal.jp/2018/09/post_24622.html
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