以前、インド教育界の重鎮が執筆・編纂を担当した、ヒンドゥー教の教義に基づく学校配布図書がなにやらすごいことになっている(自動車やSTAP細胞さえ古代インドで生まれたと唱えている) 話題をお届けした。そして今、同国の教育界でまたもやブッ飛んだ動きが起きているようだ。

 教科書としてはかなり偏った、どう考えても検定で問答無用のNGとなるであろう歴史認識が満載だった前回の話題だが、そちらはあくまでも“参考書”であり、建前上は生徒にも読書は“義務付けられていない”ということであった。

 ところがつい最近になり、またしてもインド教育委員会より、航空学や蓄電池といった最新の技術や重力の理解に対して「数千年前のインドに存在していた」と教える選択制のエンジニア・コースが新たに大学で発足する旨が打ち出され、論争を引き起こしているという。

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「The Print」の記事より

 今回、インドの政府機関である人的資源開発省(HRD)は、インド最古のヴェーダ時代(紀元前1500〜500頃)の古代インド人科学者たちが、ベンジャミン・フランクリンやアイザック・ニュートンらよりも遥か昔から重力について知っていたとする内容を盛り込んだ本『Bharatiya Vidya Saar』が完成したとアナウンス。全インド科学技術教育委員会(AICTE)に属する工学系単科大学および総合大学の、単位が正式に認められる選択制コースで使用するための準備を整えたという。

 この新設コースは、インドの哲学や言語、伝統芸能などを学ぶコースとなっており、ヨガや近代科学なども含まれるとのこと(むしろエンジニア・コースよりも人文学系コースや芸術コースの方がふさわしい気もするが……)。

 ナレンドラ・モディ首相らが率いる現政権による、疑似科学をも含めた“ヒンドゥー回帰”を進めるたものと推測されている。

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『ヤントラ・サルヴァスヴァ』の一章『ヴァイマーニカ・シャーストラ』 画像は「Wikipedia」より

 本のコピーを入手した現地ウェブサイト「The Print」では、「複数にわたって頭がクラクラするような箇所があった」と指摘。先述のバッテリーや重力などに加え、「1903年にライト兄弟が飛行機を発明したと信じられていることは作り話」であり、「ヴェーダ時代に聖仙バラドワジャが記したという古代インドの科学百科事典『ヤントラ・サルヴァスヴァ』(技術全書)に航空技術が述べられていることが真実」であるなど、驚くような記述を紹介している。

 本の著者は、「残念ながらヤントラ・サルヴァスヴァは現存しない」が、「ヴェーダ時代に存在したであろうさまざまな超科学を現代の大学でも紹介して、取り入れなければいけない」と述べているようである。

 この本を授業に用いるという新カリキュラムの教授は匿名を条件にインタビューを受けているが、本に示されている概念が事実であると主張し、「重要なのは現代の学生たちに古代の科学的知識を気づかせること。これまで何百年もの間、欧米の開発力や技術力を享受しているだけであったが、これからは我が国が持つ優れた知力に着目して教育制度を見直していく良い機会なのです」と答えている。

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「Hindustan Times」の記事より

 どうやら現在、大きな変革時期を迎えている様子のインド教育界。他国で同様の事態が発生したらとんでもないことになりそうだが、現地では政府規模の並々ならぬ本気度が感じられる。

 今回の件についてどのような評価が下されるのか、実際に授業が始まってみないとわからないところだが、近い将来、学生や教授たちに忌憚のない意見を聞いてみたいものである。

以下ソース
https://tocana.jp/2018/10/post_18574_entry.html

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