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1988(昭和63)年に起きた、いわゆる『名古屋アベック殺人事件』(大高緑地公園アベック殺人事件)では、犯行当時主犯格であったとび職の少年(19歳)を中心とした少年6人の非行グループが、何の罪もないデート中のカップルを襲撃し、集団でリンチ・強姦を加えた挙句、被害女性が「もう私を殺して」と言わしめるほどの状態へと追い込んだ末に惨殺。その後、2人の遺体を山中に遺棄するという、なんとも惨たらしい犯行が行われたが、実はこうした“カップル襲撃”を繰り返していた集団というのは、なにもこの事件に限らず、古くから存在していたようだ。
「なんでしょうね…… ああいう連中が当たり前のようにのさばっていたこと、それを誰も咎めず、罰することもできなかったこと自体、異常としか言いようがなかったと思います」
かつて、近畿地方のとある地域で頻発したという“カップル襲撃事件”と、その犯人であったという“ある集団”についてそう語りはじめたのは、仲の良い幼馴染までもが犠牲者になるという、なんとも苦い体験をした山本洋三さん(仮名・88)。山本さんの話によると、その昔、当地とその周辺地域では、前出の『名古屋アベック殺人事件』と同様、たびたび若いカップルたちが襲撃され、無残な状態でうち棄てられるという事件が頻発していたのだという。
「当時、私はまだハタチそこそこで、ちょっと奥手な方でしたから、(事件の話を聞いても)最初は“物騒な世の中になった”ぐらいにしか思っていなかったんです。けれども、子供の頃から同じ学校に通って、それこそ家族みたいに接してきた隣の家の子が被害に遭って……それからは我が事のように考えるようになりました」
山本さんの話によると、当時、前出の『名古屋アベック殺人事件』のような実に痛ましい事件が、当地ではたびたび発生していたのだという。そのため、家族や近隣住民との間でも、用心するようには伝え合っていたと言うが、そうした矢先、山本さんの幼馴染である女性(当時・19)が、そうした輩の毒牙にかかり、不幸にも、遺体となって発見される事件が発生してしまった。そのため、当時の山本さんは、懸命になって地道な聞き込みを行い、その結果、犯人を突き止め、当局にその内容を通報したのだという。しかし、捜査関係者から告げられた言葉は、山本さんを更なるどん底へと突き落とすものであった。
「自分が一生懸命になって(調べたことを)伝えても、生返事ばかりで……挙げ句には、“もうこれ以上、深入りするな”と、お説教ですよ。考えられます? お説教ですよ。犯人だってわかっているのに、何もしないどころか、私に対してお説教です。私はね、もう何十年も前のことになりますけれどもね、あの時の刑事がね、大あくびをしながら、心底面倒臭そうに、私の話を聞き流していた顔がね、本当に忘れられないんですよ」
“真犯人”と思しき犯行グループの素性がわかっていながらも、その情報提供を受ける形で捜査を開始することもなく、むしろ、その答えに辿り着いた山本さんを邪険にした感すらあったという捜査員たち。そうした彼らの“不可解すぎる対応”が持つ“意味”を、山本さん知ったのは、それから随分と時が流れた後であったという。
続く
以下ソース
https://tocana.jp/2018/11/post_18766_entry.html
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