さあ、出直しだ。11月11日から始まった九州場所(福岡国際センター)5日目、白鵬、鶴竜の2人が離脱し、1人横綱として孤軍奮闘していた唯一の日本人横綱、稀勢の里(32、田子ノ浦部屋)が休場に追い込まれた。初日から4連敗はいただけないが、「正直者がバカを見る」ような結末に、巨大な相撲協会に1人で戦いを挑み、退職に追い込まれた元貴乃花親方こと花田光司氏(46)の姿をダブらせるファンは多い。果たして稀勢の里は復活できるか――。

 稀勢の里にとって、休場を表明した5日目朝までの5日間は、悶々として夜も眠れない、地獄のような日々だったに違いない。横綱史上87年ぶり、15日制下では初めての初日から4連敗を喫する“計算違い”はどこに潜んでいたのか。

「少なくとも、原因は2つありました。1つは、白鵬、鶴竜が初日から休場し、図らずも1人横綱になってしまったことです。おかげで場所を引き締める責任感やプレッシャーを1人で背負うことになりましたからね。もう1つは、去年の春場所で痛めた左大胸筋の影響がいまだに消えていなかったことです。おそらく本人は、もう大丈夫と思っていたのでしょうが、やはりかつての力強さは戻っていませんでしたね」

 こう分析するのは、審判委員の経験がある親方だ。九州場所の稀勢の里は、本格的に戦列復帰して2場所目。自分のことで精いっぱいで、とても優勝争いを演出するような余裕はない。

 そんなところに、白鵬、鶴竜の2横綱が場所前、相次いで休場を表明し、いきなり1人横綱の大役がまわってきたのだ。

「気の毒と言えば気の毒。白鵬、鶴竜らのモンゴル人横綱たちは『大相撲界に貢献する』より、『少しでも現役生活を長引かせ稼げるだけ稼ごう』という姿勢がミエミエですから。鶴竜などは直前まで時津風部屋に出稽古し、正代や豊山らを相手に元気に汗をかいていたので、師匠の井筒親方が休場を発表したとき、協会首脳も驚いていました。稀勢の里は、そんな自分勝手なモンゴル人横綱たちのしわ寄せをいっぺんに食った格好で、もしどちらか1人でも出場してくれていたら、展開は全然違ったと思います」(担当記者)

 もっとも、稀勢の里はこの異常事態にもたじろがなかった。幸いなことに、場所前の仕上がりはまずまず。九重部屋や阿武松部屋、境川部屋などに出稽古し、北勝富士や妙義龍らに圧勝している。むしろ横綱ワーストの8場所連続休場などの汚名を返上するチャンスと受け取り、初日前日には、
「やることは変わらない。調子は悪くないので、あとはしっかり結果を残すだけです」
 と優勝宣言までした。

 しかし、結果は最悪だった。平幕力士が横綱を倒せば「金星」となり、1場所4万円も褒賞金がアップする。まだ完全復調に至らない稀勢の里は、まるで飢えた狼の群れに取り囲まれた小鹿のように、連日、寄ってたかって噛みつかれ、餌食にされたのだ。

 最後の出場となった4日目にはさすがに気持ちも滅入り、花道を入場してくるときから目を伏せたまま。こんな状態では「勝て」という方が無理だった。

 そして迎えた5日目の朝。
「ファンの皆様には申し訳ないが、このままでは終われない。もう一度、チャンスをください」
 と言って、ついに休場届を提出し、出直しを誓った。

 実に横綱在位11場所で9度目の休場。次はもう言い訳ができない、という退路を断った最後のお願いだった。

続く

以下ソース
https://wjn.jp/article/detail/3328861/

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