総裁選3選を果たした安倍晋三・首相の在職日数は、このままいけば来年のうちに吉田茂・元首相や佐藤栄作・元首相を抜いて歴代1位となる。だが、過去の長期政権が打ち立てた「サンフランシスコ平和条約(1951年、吉田茂内閣)」や「沖縄返還(1972年、佐藤栄作内閣)」といった、日本史の教科書に記されるほどの“偉業”が、この政権にはない。

 そこで“残り任期のうちに”とギアを上げたのが北方領土の返還交渉なのだが、4島一括返還ではなく「2島返還でもいい」とロシアのプーチン大統領に申し入れた。妥協とはいえ、在任中に北方領土が返還される道筋をつくった。

 安倍首相は、北方領土返還を含む「日ロ平和条約の締結」「拉致問題の解決」「最終的に『国防軍』創設の憲法改正」という3大公約のうち、残る2つの「拉致問題解決」と「憲法改正」についても在任中の実現を国民に約束した。

「私の内閣のうちに拉致被害者全員を帰国させる」
「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」

「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍首相にとって、旧ソ連に不法占拠されたままの北方領土も、北朝鮮工作員によって国民が国内から連れ去られた拉致問題も、根っこは同じ。真の「独立の回復」がなされていないからだという。

〈日本国民の生命と財産及び日本の領土は、日本国政府が自らの手で守るという明確な意識のないまま、問題を先送りにし、経済的豊かさを享受してきたツケではないでしょうか〉(著書『新しい国へ』)

 それを脱却するには〈憲法の改正こそが、『独立の回復』の象徴であり、具体的な手立て〉(前掲書)という改憲論に結びついている。

 だが、憲法改正も「合格ライン」がどんどん下げられている。首相は、現憲法は占領下にGHQに押し付けられたものだという「押し付け憲法論」に立ち、新憲法制定=抜本改正論を唱えてきた。

 ところが、昨年5月に読売新聞紙上で発表した首相の改憲私案は、憲法9条を残し、「自衛隊」の保有を盛り込んだ条文を追加するという、いわゆる加憲案だった。自民党改憲派からは「9条改正に慎重な公明党の賛成を取り付けやすくするために大胆な妥協を図った」と受け止められている。

 拉致問題でも、「被害者全員帰国」という安倍首相のスタンスに変化があった。北朝鮮問題に詳しい伊豆見元・東京国際大学教授が指摘する。

「安倍首相は今国会の所信表明演説の中で、『拉致、核ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化をめざす』と語った。“不幸な過去の清算”というのは経済支援のことで、北にすれば非常に魅力的な発言ですが、安倍首相はこの言葉をずっと使わなかった」

 北朝鮮側は日本政府にひそかに「拉致被害者2人の存在」を伝えている。今年3月に共同通信が2014年の日朝交渉の際、北朝鮮側から政府認定拉致被害者の田中実さんと特定失踪者の金田龍光さんが「入国していた」との情報が伝えられたことを、実名をあげて報じた。

 北朝鮮側は米朝首脳会談(6月12日)前後に行なわれた日朝の接触で、その2人以外に「新たな入国者はいない」との説明を変えていないと報じられている(7月21日付、共同通信47NEWS)。北は「帰国させるとしても2人で終わり」という姿勢なのだ。

続く
以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20181129_810661.html

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