最近では、抗生物質の不適切な服用や濫用による薬剤耐性菌(薬に対して抵抗性を備えてしまった細菌)が世界的な問題となっている。

 WHO(世界保健機構)も薬が効かない“ポスト抗生物資時代”が来ると警鐘を鳴らしており、感染症のまん延を防ぐべく、誤った使用をしないよう注意喚起を行っている。

 だが、ひょっとしたら将来的には感染症を防ぐ用途だけではなく、寿命を延ばすために投与されるようになるかもしれない。抗生物質により加齢を抑制する効果が期待できる可能性のある画期的な研究結果が発表されたという。

 英サルフォード大学のマイケル・リサンティ教授率いる研究チームは、淋病からライム病(マダニによって媒介される)ら感染症の治療方法として確立している抗生物質のアジスロマイシンを用いた実験に着手。ヒトの皮膚と肺組織から通常の細胞と老化した細胞とをDNA損傷剤に触れさせ、続けて抗生物質のアジスロマイシンとロキシスロマイシンを加え、経過を観察した。

 その結果、低用量のアジスロマイシンを投与した場合に老化細胞を97%減少させることに成功し、通常細胞は活発化させることを突き止めた。ただし、ロキシスロマイシンについては、老化した細胞を70%減少させたものの、通常細胞も同時に減少させてしまったという。

 アジスロマイシンが、放射線を浴びて肺炎症を引き起こしたマウスから、炎症の原因となる細胞を除去することも判明しているといい、組織機能不全や、多くの老化に関連する病気の発達を遅らせることに有効であることは間違いないと考えているという。

 一方、通常では扁桃腺炎と肺炎の治療に用いられているロキシスロマイシンは、薄毛治療にも効果があるが、これもやはり老化した細胞を減少させることと関係しているからと思われる。

 教授によると、もともとアジスロマイシンは遺伝性疾患の一種である嚢胞性線維症患者の延命用に開発されたもので、当初はその病気に関して有害なバクテリアのみを排除する目的だったというが、今回の結果を受けて「体に害を及ぼす老化した細胞を除去できる、安価で効率的な方法につながるかもしれない」とコメント。今後のさらなる研究に意欲を見せている。

 老いた細胞は、がんや心臓病、認知症を含んださまざまな病気の根本的な原因であると推測されているが、アジスロマイシンは老化した細胞へのエネルギー供給をストップさせて消滅させる効果があると考えられており、共同研究を行うフェデリカ・ソッジャ教授らと共に、抗生物質を上手に用いることで病気の進行を遅らせる方法を探っていきたいという。

 サルフォード大学ではほかにも、抗がん剤の代わりに毒性のないビタミンCと抗生物質を用いて、既存の癌治療による副作用を劇的に減らす研究なども行っており、そちらも注目されているという。どちらも研究にはまだまだ時間がかかるであろうが、続報に期待したいところである。
(文=Maria Rosa.S)

以下ソース
https://tocana.jp/2018/12/post_19128_entry.html

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