壇上に上げられ大喜びの中国人客
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、年明け７日から４度目の訪中をし、習近平国家主席と会談。中国の英字紙「チャイナ・デーリー」は「今年最初の外遊先に中国を選び、また８日は金正恩氏の誕生日でもあることから、中朝の蜜月ぶりがうかがえる」と評した。
そんな中、上海にある北朝鮮国営レストラン（通称・北レス）がこのところ大にぎわい。アジア各地に展開している北レスの中には、経営不振で撤退する店もあるが、上海の「平壌高麗館」には連日、中国人客が大挙して訪れる。
「一昨年は中国が庇護してきた正恩氏の異母兄・金正男氏が北の手で暗殺され、中朝関係が悪化。閑古鳥が鳴いていた。それが昨年、歴史的な南北会談、米朝会談と融和ムードが高まるにつれ、上海市民の北朝鮮への関心が高まり、店も盛況になっていった」（現地在住駐在員）
北レスはどこも、北朝鮮の大学などで厳しい訓練を積んだ美女たちによるショーが売りだが、上海の店はレベルが段違いだ。ギターやキーボードのバンドをバックに歌い、踊り、バイオリンやオルガンなどを見事に演奏。衣装も艶やかなチョゴリから、セクシーなミニスカート、かわいらしい洋風ドレスと次々に変わり、客を飽きさせない。
しかも写真撮影ＯＫ。他の北レスは大抵撮影禁止で、スマホを取り出すだけでもとがめられることがあり、店員は神経をとがらせているのだが…。「上海店も基本的には撮影はダメ。でも中国人はそう言われても構わず撮りまくるので、いつの間にか注意しなくなった」（同駐在員）という。
接客も超一流。ちょっとでもグラスが空いたらビールを注ぎ、かいがいしく料理を取り分け、日本人客にも満面の笑顔で付きっきりで接してくれる。駐在員が「上海でこのレベルの接客はミシュラン店でもない」とうなるほど。片言の日本語を話す女性店員もいて、その清楚なたたずまいと優しい気遣いに夢中になり、通い詰める現地在住日本人もいるという。雑談にも気さくに応じてくれるが、政治的な話は一切ＮＧで取り合ってくれない。
料理も折り紙つきで、北朝鮮独特の水気のあるキムチ、金正日氏が生誕したという聖地・白頭山原産のマツタケ、焼き肉やチヂミ、冷麺などどれも絶品。東南アジア各地の北レスは料理がイマイチなことも多いが、各店を訪れている日本人も「あらゆる点で上海が最強ではないか」と太鼓判を押す。
１時間ほどのショーを終えた美女たちは、ステージを降り客席を飛び回る。そして手を取って客をステージに上げる。うら若き北の美女と触れ合って踊る中国人客たちは、みんな鼻の下を伸ばしうれしそう。料金は中国でもやや高いほうで、２人で飲み食いしたら日本円で１万円ほどかかるが、中国の中間層や富裕層にウケている。
（室橋裕和）
以下ソース
https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/1249915/
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