医療現場における新しいアプローチとして、ここ10年ほどで湿潤療法が一般的にもかなり浸透してきたのは記憶に新しい。湿潤療法とは従来のガーゼを当て、消毒薬による消毒をするという治療に代わり、消毒をせず、かつ創傷部を乾燥させず、ガーゼの代わりに被覆材(ドレッシングフォーム)を使用するという異なるアプローチによる治療法のことだ。
ばんそうこうタイプの多くの類似製品が販売されているので、常備している家庭も多いのではないだろうか。治療経過もよく画期的な療法であるが、最新の報告によると傷が回復するまでの時間をなんと4倍も短くする治療法が現在研究中だという。
米ウィスコンシン大学マディソン校の若き研究者イン・ロン氏が主導するチームは今回、ごく微量の電流を発生させる“電子ばんそうこう”を使用した研究成果を発表した。
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彼らは背中に切り傷を負ったラット(大型ネズミ)に、これを包帯状にしたものを巻いて経過観察を行い、ラットが呼吸をするたびに電気パルスを発生させた。すると、皮膚の結合組織を構成する細胞の1つでコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を生産する線維芽細胞が傷口とその周辺につくり出されたという。つまり、この方法により治療プロセスの回復速度を大幅に短縮することが判明したのである。
アメリカでは治癒の可能性が低い糖尿病性足病変や下肢潰瘍、手術痕に悩まされる人々が毎年新規に650人以上も増えているといわれるが、実は血流を押し上げて新しい組織の成長を促すために電流を用いる治療は、1960年代より認められている。
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だが、複雑な操作を要する電気機器類は個人では扱いにくく、基本的に病院向けであったために、これまで一般的には浸透してこなかった。
今回チームは電子ばんそうこうにさらに改良を施し、電流を自己出力できるタイプを製作し、背中に1センチの傷をつけた複数のラットに貼ってテストを行った。
バンドに電流を流したグループと、電流をあえて止めて流さなかったグループとの二種類に分けて比較観察を繰り返したところ、電流を流したグループの方は2日でほぼ治りかけており、3日以内には完全に傷がふさがったことを確認した。他方、電流を流さなかったグループは、3日経過してもうち46%がまだ傷が開いたままであった。
研究者らによると、電流を流さない場合は傷が治るまでには10〜12日を要したという。実験の画像を見る限り、その差は一目瞭然である。ちなみにこの“電子ばんそうこう”はラットに副作用を与えることがなく、安全であることも確認されたとのこと。
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また実験で発生した電流は低レベルであったため、動物が痛みや不安を覚えることはなかったという。 今後この研究を進めていくことで包帯や湿潤療法、酸素療法といった既存の治療方法に代わり、近い将来に水痘傷痕やニキビ痕、酒(しゅ)さなどの皮膚疾患の改善に役立てることに意欲を燃やしている。
傷痕の治療に関する医療分野は世界でも関心が高く、イギリスでも昨年末に初の研究センターが開設されたばかりだ。バーミンガムのクイーン・エリザベス病院内に設置されたその施設では、酸攻撃(アシッド・アタック)の被害者や負傷した兵士などを対象に、レーザー治療を用いて創傷治癒のスピードアップと改善を図っていくという。
いずれにせよ、実現すればかなりの需要が見込まれる今回の研究だけに、ぜひ1日も早く実用化にこぎつけてほしいものである。
(文=Maria Rosa.S)
以下ソース
https://tocana.jp/2019/01/post_19532_entry.html
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