毎日新聞2019年2月4日 10時30分(最終更新 2月4日 10時54分)


 日本でアダルトビデオ(AV)女優としてデビューし、2012年から米国ポルノ界で活躍する、まりか(Marica)さんが乳がんと闘っている。昨年10月にしこりを見つけ、当初は良性の腫瘍と診断されたが、11月にがんであることがわかった。「私が乳がんになったと言えば、みんなが検査に行ってくれるかもしれない」と公表を決意。今後、乳房の全摘出手術を受け、ポルノ復帰を目指す。検査結果を待つ不安な日々を過ごした経験から、ほかの患者の役に立とうと「これからはがん患者の日常を発信していきたい」と話す。【中嶋真希】

 「今から、手術なんだ」。ロサンゼルスの病院に向かう車の中から、まりかさんがインスタグラムに動画を投稿したのは10月下旬。その1週間前、ふと自分の胸を触ってしこりに気づき、病院で検査を受けると「85%の確率でがんではないが、将来のことを考えて腫瘍を摘出してはどうか」と勧められた。検査をせずに腫瘍を摘出。この時はまだ、「素早く対応すれば健康になれる。検査が大事だと発信していかなくては」と考えていたという。

 ところが、11月1日に手術後の経過観察で、腫瘍はがんだったことが発覚した。セカンドオピニオンを求めて別の病院を受診し、転移の可能性も指摘された。定期的に性病や乳がんの検査を受けていたのに――。「それでも早期発見できないのか」と、難しさを痛感した。

 米国は医療費が高く、血液検査だけでも20万円以上かかる。検査のたびに保険会社の許可が必要で、待つ時間が長く、不安が増えていく。「治療が始まったら、仕事どころか、外出もできないかもしれない」。治療前にがむしゃらに働こうと、撮影をこなした。まりかさんが、記者につぶやいた。「私、毎日撮影しているんですよ。超元気じゃないですか。撮影して、夜中に編集して。がんじゃないかもって気がしてきました」


英語ができなくても勝ち取った契約
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