インド人男性が「合意なく自分を生んだ罪」で実の両親を訴えたい語り、海外を中心に大きな話題になっている。

 英紙「Daily Mail」(2月4日付)によると、男の名はラファエル・サミュエル(27)。ムンバイに住む彼は、出産を“誘拐”や“奴隷制”になぞらえ、自分たちの快楽のために自分(サミュエルさん自身)を冗長なくだらない人生に放り込んだと語っている。

「両親にどんな恨みがあるのか?」と勘ぐってしまうが、サミュエルさんによると両親との関係は極めて良好であり、両親を愛してさえいるという。では、なぜ彼は両親を訴えるというのだろうか?

「私は両親を愛していますし、良好な関係にあります。しかし、彼らは自分たちの喜びと快楽のために私を生んだのです。私の人生はとても素晴らしいものです。しかし、私は他の人に冗長でくだらない学校生活や就職活動を押し付けたくないのです。なんといっても、全ての人は産んでくれと両親に頼んだわけではないのですから」

 ポイントは「産んでくれと両親に頼んだわけではない」という点だ。つまり両親は子どもの意見を聞かず(そもそも産まれる前の子どもに聞きようがないが)、自分たちの喜びのために子どもを産んだのだから、それは合意なしに人を連れ去る誘拐行為や、合意なしに人の自由を奪う奴隷制に等しいというわけだ。

 このように「子どもを産むことは悪である」とする立場は“反出生主義”と呼ばれ、2006年に南アフリカ・ケープタウン大学哲学教授デイヴィッド・ベネターが出版した哲学書『生まれてこないほうが良かった:存在してしまうことの害悪)』(すずさわ書店)は、一部でカルト的な人気を誇った。サミュエルさんが同書を読んでいるかは分からないが、発言を見る限り影響は少なからず受けているように見受けられる。

 サミュエルさんは自身のフェイスブックページで反出生主義的な主張を繰り返している。たとえば、

「良い親は自分が欲しい物や必要な物よりも子どもを優先する。しかし、子ども自身は親の欲しい物なのだ」
「もし両親が子どもたちにとって何が良いことか知っているならば、なぜ彼らは子どもを作ったのか?」
「君たちの子どもが困難に直面しているのは、君たちが彼らを作ったからだ」

 アメリカでは60年代より、重篤な障がいを抱えて生まれた人物が、自分は生まれない方が良かったのに、医師の判断ミスにより間違った生を受けてしまったとする「ロングフル・ライフ訴訟」(wrongful life 間違った生)が問題となってきた。だが、サミュエルさんのように自分の人生に満足していながら、子どもを産むことそれ自体を問題視する訴訟は珍しい。たとえ議論を活発化するためのパフォーマンスだとしてもおおいに歓迎したい。なぜなら、子どもを産むことや人類の存続が無条件に正しい理由はどこにもなく、徹底的に議論されるべきだからだ。

 ところで、サミュエルさんのフェイスブックページには、サミュエルさんに対し自殺を推奨するコメントが多く寄せられているが、反出生主義者に対しそのようなコメントは全く意味がないことを指摘しておきたい。

 彼が訴えているのは「これから産まれるだろう生を存在させるべきではない」ということであり、すでに産まれてしまった自分の人生とは無関係の事柄である。彼が自殺すべきかどうかは、「産まれてしまった人の人生は生きる価値があるか」という別の問いだ。さしあたり、サミュエルさんは自分の人生に満足している様子なので、自殺をする理由はないだろう。誤解なきよう、念のため。

以下ソース
https://tocana.jp/2019/02/post_19611_entry.html

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