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「須江は、背中一面と両腕に入れ墨を入れていました。17歳ぐらいまでは小さな暴走族に入っていて、毎夜バイクで走り回ってもいました。族を抜けた18歳ぐらいから特に悪くなって、窃盗、恐喝、傷害なんかは日常茶飯事。シャブもやっていたという話です。逮捕されるのも今回が初めてではなく、これまでに2回捕まっているはずです」

こう話すのは、東京・江東区で起こった「アポ電」強盗殺人事件で逮捕された須江拓貴(ひろき)容疑者(22)の不良仲間・X氏だ。

事件が起きたのは2月28日。マンションで一人暮らしをしていた加藤邦子さん(80)が所持金について確認する電話を受けた後、殺害されたのだ。強盗殺人などの疑いで逮捕されたのは、須江容疑者の他に、小松園竜飛(こまつぞのたつみ)(27)、酒井佑太(22)両容疑者。3人は軽自動車で乗りつけ、加藤さん宅に侵入し殺害したとされる。

須江容疑者は地元・長野で札付きのワルとして有名だった。犯行グループの中でも、リーダー格を務めていたという。X氏が続ける。

「彼が中学生の頃、父親が交通事故で亡くなった。その保険金が入ってカネ回りが良くなり、高価なバイクを乗り回したり、外車をしょっちゅう買い換えたりしていました。でも、そのおカネも底をついて周りから借金しまくったせいで、地元にいられなくなった。昨年10月にも逮捕されていますが、交際相手に対するDVとストーカー容疑が原因でした。その彼女にも300万円ほど借金していたと聞いています。仲間からのも含めると、600万くらいですかね。借金が返せなくて、車を質に入れてたこともあったみたいです」

他の実行犯二人とは、どのように知り合ったのか。

「一緒に逮捕された酒井とは高校の同級生です。もう一人の小松園は地下格闘技の選手をやっていたので、須江とはそこで知り合ったのでしょう。中学の頃から須江はレスリング大会に出場しており、格闘技が得意でした。仲間内では、格闘家のツテでヤクザになると言われていました」(前出・X氏)

「アポ電」による事件は群馬や静岡など、全国に拡大している。元神奈川県警刑事・小川泰平氏は、「アポ電強盗」のバックに巨大組織がいると警告する。

「振り込め詐欺の裏には暴力団などの反社会勢力がいます。実行犯たちをコマのように使い、上納金を取っている。狙われるのは一人暮らしの高齢者ばかり。名簿業者から流出したリストが、闇社会で出回っているんです。その犯行リストをもとに、反社会勢力は新たな場所で次の犯行計画を立てています」

巨大組織は表には現れず、須江のような実行犯を使って悪事を企んでいる――。

以下ソース
https://friday.kodansha.co.jp/article/37426

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