当時、現場の最前線で外国人犯罪の捜査に当たった警視庁の元捜査員はこう振り返る。

「中国・台湾からの留学生が増えたのと歩調を合わせるように、外国人犯罪も倍々ゲームで増え続けていた。日本語学校に通う就学生や大学・専門学校への留学生として来日した者の中には犯罪に手を染める者も少なくなかった」

 実際、在日中国・台湾人が絡む刑法犯は1990年の1288人から2919人に倍増し、事件数は1841件から7828件に激増していた。

 事件からわずか20日あまりの7月30日、現場の立川市から中央線で約10分の距離にある八王子市のスーパー「ナンペイ」では、アルバイトの女子高生ら3人が射殺される強盗殺人事件が発生している。短絡的に二つの事件を結びつけることはできないが、近接した場所で今も未解決のままとなっているコールドケースが連続して勃発したのは、日本を取り巻く治安環境が劇的に変化していたことの証左であることは間違いないだろう。

文=KYAN岬

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