世の中というのは実に不思議なもので、一見、平凡な生活を送っているかに見える人々のなかにも、その実、思わぬ願望を持っている人も少なからずおり、彼らのそうした思いが、なんとも奇妙な言動を生み出すこともしばしばだ。
「話が話だから、そう大っぴらに言えるもんでもないけどもね。うん、たしかにそういうことをやっていた時代はあるわね」
かつて東北地方のとある寒村に存在したという、とある奇妙な風習についてそう語り始めたのは、当地で生まれ育ち、現在もリンゴ農家を営んでいるという野崎養三さん（仮名・80）。野崎さんの話によれば、かつて当地で暮らす人々の多くは、“お忍び”で、スワッピングパーティさながらの夫婦交歓に明け暮れていたという。
「まあ、見てのとおり、昔からこのあたりじゃ娯楽らしい娯楽なんてありゃしないもんでね。そういう土地なもんだから、やることって言っちゃ、アレだけなわけ。けど、それもあまりに続けていると飽きがくるもんだからね、お互いに相手を変えてね、楽しむと。そういう風習だわね」
今とは違い、ネットもテレビもなかった時代、当地のような寒村で、「娯楽」と呼べるものは男女の営みぐらいのもの。しかしそれも夫や妻といった固定の関係だけでは、やがて飽きがくるものだ。そこで当地においては、あえてスワッピング行為を黙認することで、ストレスフリーのセックスライフを満喫していたのだという。
「よその人から見ればね、そんなことをしているようには思われないかと思うけれども、実際にはね、村にいるほとんどの男と女が参加していたわけ。まあ、よその人間が来るような土地でもないし、昼間っから外でそういうことをやるわけではないからね、ここいらに住んでる人間しか、知るわけないんだけどね（苦笑）」
野崎さんのいうように、傍目に見れば、とてもではないが、そんな破廉恥極まりない行為に没頭していたとは思えない寒村の人々。しかしそんな朴訥そのものといった雰囲気の仮面の下には、実に生々しい欲望が蠢いていたようだ。
以下ソース
https://tocana.jp/2019/09/post_112924_entry.html
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