はじめまして。森林原人さんのこれまでの相談や書籍、楽しく拝見しています。今回、ご相談したいのは婚約者との性行為についてです。長くなりますが、アドバイス頂ければ幸いです。

　ともに30代。彼とは結婚前提に付き合いはじめ、一年以上経ちます。婚約もしましたが、私達は体の関係がなく私はいまだに処女です。イチャイチャするのはお互い好きなので、よくホテルに行って、求められれば私が手や口でしています。仲はとても良いです。

　セックスしたいけど、彼氏が性行為にトラウマがあります。トラウマの理由は彼いわく、童貞時代に海外出張で上司達に売春宿に連れていかれ、嫌だと言ったのに無理やり女性との性行為を強要され、それが心の傷になっているそうです。それ以来、塞ぎ込んでいたようですが、周囲の手助けを経て徐々に立ち直り、そして恋愛する意欲が湧いて、私と出会ったそうです。

　彼が性暴力の被害者だということはショックでしたが、私は彼に落ち度はないと考えており、体の関係自体は急ぐ必要はないよと伝えました。

　けれど、やっぱり付き合いが続いていくうちに、私が彼と繋がりたく、最後までセックスしたいと思うようになりました。結婚後、お互いに子供がほしいと思っているので、今後のためにもとりあえず性行為を試してみないと…という気持ちもあります。

　思い切って彼に聞いたところ「俺も本当はしたい」とのことだったので、近々トライするかもしれません。ちなみに「私も初めてだから、一回目からうまくいくとは思ってないから大丈夫」とは彼に伝えてあります。

　森林さんの書籍に「セックスのトラウマはセックスで癒すしかない」と書かれていたことが、とても心に残っているのですが、私はいざその時に具体的にどうすればいいでしょうか？ 彼にプレッシャーをかけないような振る舞いがあったら、教えて下さい。

森林の回答

　まず初めに言っておきます。時間がかかるかもしれませんが、あなたたちは必ずうまくいくようになります。安心してください。初めてのことだから不安でしょうが、僕が言い切ります。2人にやる気があれば必ずできる。だから、互いを思いやる今の気持ちを忘れずにいてください。結果を出すよりも、その時々の全力で向き合い、戯れ合うことを素直に楽しんでください。

　相談文に書いてある通りなら、手や口であなたが彼を射精に導いてるようなので、彼のトラウマの根源は女性器にあると思われます。男性器の機能や感覚、存在そのものや女性全般に対して嫌悪感を持っているわけではなさそうです。

　トラウマとの向き合い方には大きく2つあると言われています（参考文献『トラウマとアディクションからの回復』金剛出版）。1つは、過去に焦点を絞る方法と、現在に焦点を絞る方法です。前者の方では、トラウマの原因となった出来事の記憶や感情と詳細に向き合っていきます。その過程では何度も苦しい思いを繰り返してしまう可能性が高いです。

　一方、後者の場合は、過去の出来事の詳細と向き合う必要はなく、今現在の問題にいかに対処していくのかといったところに力を注ぎます。過去に焦点を絞る方法こそ最高の治療法だと思う人が多くいますが、どちらの方法でもその効果に大差はないそうです。

　AVの撮影現場では、過去の話を出来る限り詳細に話してもらい、そこととことん向き合い自身を解放してトラウマを乗り越えていく方法がとられがちです。なぜなら、ものすごくセンセーショナルなので、視聴者へ訴えかける力が強いし、本人を含む関わる人たちの感情を高め手応えが強くなるからです。

　でもこの方法は危険です。なぜなら、トラウマの解消は一発で済むわけではなく、長期間に及ぶことがほとんどだからです。撮影の時は奇跡的にうまくいったけど、その後のプライベートな時間に苦しくなった時に、力になれる人が誰もそばにいなければ傷を深くしてしまう可能性が高いのです。

続く

以下ソース
https://joshi-spa.jp/990424

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