戸叶和男『日本奇習紀行』

 多くの人々にとっては心底どうでもよいようなことも、一部の人にとっては執着の対象であるというケースは、古今東西、特段珍しいものではないが、その「対象」にまで目を向ければ、極めて希有な例もあるようだ。

「こだわりって言えるかどうかはわからないけど、みんなで先を争ってやっていたのはたしかだろうね」 

 自身が生まれ育ち、就職で上京するまで暮らしていたという北関東のとある地域で行われていたという珍妙極まりない習慣について語りはじめたのは、現在、都内の特別養護老人ホームで余生を過ごす根本善吉さん(仮名・84)。根本さんの話によると、その昔、彼の住んでいた地域においては、出産したばかりの女性に対し、実に奇妙な行為が行われていたのだという。

「まぁ、簡単に言えば、赤ん坊を生んだばかりの女のね、最初のお乳をさ、親兄弟はもちろん、隣近所の人間も集まって、みんなで飲むっていう風習だね」

 そもそも赤ん坊のために出ている母乳を、赤ん坊でなく大の大人までもが飲むという時点でかなり驚かされるが、さらに驚かされるのはその飲み方だ。

「うん、赤ん坊みたいにこう乳に吸い付いてさ、飲むのよ。そう、口をつけてね」

 母親となった女性から搾乳した母乳を、容器などに移し替えて飲むという形ならばまだしも、あろうことか乳児のように女性の乳首から直接飲むというのだから驚くばかり。しかも、このように母乳を飲むことで、健康になれると信じられていたのだというから開いた口が塞がらない。

「昔は今みたいに栄養が良くなかったからお乳は貴重な栄養だったんだろうと思うよ。そうでなければね、変態じゃあるまいし、大の大人がよってたかってあんなことをやるわけないもの(苦笑)」

 根本さんの仮説が正しいのか否かは定かではないものの、その口ぶりから察するに、少なくとも、彼ら村人たちが初乳の御利益をある程度、信じていたことは事実である様子。やはりいつの時代も、おかしな迷信の類というものは、奇妙な文化や風習を生んでしまうものなのかもしれない。

文・取材=戸叶和男

以下ソース
https://tocana.jp/2020/03/post_148353_entry.html

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