もちろん、今回の研究が実験室で行われたという点は留意する必要がある。「動物は、飼育下では異なる行動を取ります。ですから、こうした行動が自然条件下ではどうなるのか、疑問が残ります」と、ヘビ保護団体「Advocates for Snake Preservation」のディレクターで爬虫両生類学者のメリッサ・アマレッロ氏は述べる。

 しかし、野生のガーターヘビも実験室のヘビと同じように集団を作るため、このような関係は自然界でも形成され、爬虫類の多くの種で広く見られるのではないかと、ミラー氏やスキナー氏は考えている。

 最近、動物の友情が話題になっているが、「人間が友達を持つ理由とは、まったく異なるものかもしれない」と、ミラー氏は注意を促す。

 実際、ガーターヘビが友好関係を築く目的は、わかっていない。ただ、実験では友達として異性を好むことはなかったので、繁殖や交尾とは関係がないようだ。

 しかし、動物がわざわざこのような協力関係を結ぶのには、何らかの利点があるはずだ。例えば、ヘビが友達同士で絡まり合っているのは、熱を逃がさず、捕食者から身を守るのに役立っていると考えられる。

 理由が何であれ、この研究について米テネシー大学の進化生物学者ゴードン・バーグハート氏は次のように語る。「ヘビは、不可解なはぐれ者などではなく、大半の人が考えているよりも、高い社会的知性と優れた社会的能力を有していると、人々を納得させるのに役立つはずです」