新型コロナウイルスに席巻された2020年だったが、10月に入ってからは日本学術会議の「任命拒否問題」が政治における話題の中心となって、現在も議論は続いている。

 この問題には、わかりにくさがある。それは、日本学術会議が内閣府、つまり総理大臣が直轄する組織でありながら、なぜ「独立性」が問題になるのか、根拠が曖昧なことだ。

 日本学術会議が2017年に宣言した「軍事的安全保障研究に関する声明」では、軍事研究に反対すると主張している。そして2018年には、防衛省の助成を受けてきた北海道大学が、日本学術会議などから圧力を受けたことで、研究半ばで撤退へと追い込まれている。日本学術会議は国の安全保障政策を阻止する立場なのである。

 国の安全保障の基本となるのは軍事力であり、そこで重要なのが軍事技術だ。中国の軍事的圧力が強まり尖閣諸島周辺などの国土が脅かされて、国際的に中国の脅威への警戒感が高まるなか、総理大臣が直轄する日本学術会議が市民団体のような活動をしていることに違和感を覚えた人も多いはずだ。

 なぜ日本学術会議には、そのような“特権”があるのだろうか。

過剰な表現による攻撃

 前述したように、日本学術会議は総理大臣が直轄している組織であるが、同会議が推薦した学者の一部の任命を見送ったことで菅義偉首相は、野党やリベラルマスコミ、日本学術会議に加え多くの学術関係者から攻撃を受けることになった。

 しかも日本学術会議だけでなく、任命拒否を受けた学者が当事者としてメディアに露出して、菅首相や加藤勝信官房長官への批判を繰り返して、総理官邸前デモまで起こった。いまだに「戦後」を引きずったまま冷凍保存されている組織が、総理大臣の直轄だというのはどういうことなのか。

 さらには、任命権がある総理大臣が任命を拒否したことに対し、「ヒトラー」「ポルポト」「ムソリーニ」など独裁者のアイコンで罵るのは明らかに過剰である。総理大臣に任命権があるのなら、任命しない権利もあると考えるのが普通であり、拒否できない任命権などありえない。だが、日本学術会議はその「普通」が通用しない組織なのだ。

 もちろん、任命拒否されたことを不満に思い「反政府的活動をしていて何が悪い」と開き直ることを、異常とまで言うつもりはない。異常に感じるのは、若者を指導する立場である大学教員でありながら、日本学術会議を直轄する菅首相を独裁にたとえて「無知だ」「インチキだ」と、マスコミのカメラの前で騒ぎ立てるところにある。大学教授という肩書を持つ者が、なぜ冷静な抗議ができないのだろうか。

任命拒否問題の本質

 任命拒否問題とは、会員の半分が交代する2020年に、日本学術会議側が推薦した105名のうち菅首相が6名の指名を見送ったことである。6名の学者が会員としてふさわしくないと政権側が考えて、指名を見送ったわけである。

 問題は105名という候補者の数だ。定員ちょうどの105名しか推薦しなかったのは、日本学術会議側が菅首相に「全員指名しろ」「1人も拒否するな」と圧力をかけたに等しい。

 日本学術会議は前回の会員交代年である2017年には110名を推薦しており、「5名の任命拒否枠」を提示していたことになる。ただし、その裏で日本学術会議側は“任命されるべき105名”を指定しており、残りの5名は体裁を繕っただけである。

 総理大臣は任命権を行使すべく110名の内から105名を選抜しているのだが、日本学術会議側はあくまで自分たちが推薦したのは105名であって、定員を超える5名は総理大臣に花を持たせるためだけだったということだ。外形的にはともかく、実質的に総理大臣に任命拒否をさせてはいないのだ。

続く

以下ソース
https://biz-journal.jp/2020/12/post_197504.html

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