街中や駅構内で意図的にぶつかってくる中高年男性、通称“ぶつかりおじさん”。女性のなかには、それまで被害と無縁だったのに、就職活動を始めたり、新社会人になってから遭遇するようになったという声も少なくない。新年度を控える今、就活生やこれから社会人になる人たちに向け、かつて被害に遭ったことがあるという女性たちが「気をつけて!」と呼びかける。

 IT企業に勤務する20代女性・Aさんは、社会人になった途端に何度も“ぶつかりおじさん”に遭遇。恐怖と悔しさを味わったと振り返る。

「社会人になりたての頃、駅構内や階段で、普通にすれ違える距離なのに、明らかにわざわざこちらに向かってぶつかってくる男性が結構いました。そのまま無言で立ち去るのは当たり前で、ぶつかっておいて『邪魔だな』と暴言を吐かれたことも。私は何もしていないのに、理不尽でたまりませんでした」

 それまでは、そうした被害に遭ったことはなかったというAさん。「“見た目”も関係していたのでは」と分析する。

「身長は平均より下なのですが、学生時代は明るい金髪にピンクのメッシュを入れていてで、活発なイメージもあったと思います。

 でも社会人になって髪色を暗めにし、特に新社会人になったばかりの4〜5月は割ときっちりとしたスーツスタイルだったんですよね。そういう“おとなしそう”なルックスは、目をつけられやすいのかなと。その意味では、就活生も同じだと思います。私は就活時は自由な髪色で良かったので、気が付きませんでしたが……」(Aさん)

 Aさんの指摘にあるように、就活時代に被害にあったことがあるというのはPR代理店勤務の20代女性・Bさん。実体験から、ぶつかってくる男性は「人を選んでいる」と分析する。

「周囲の友人にリサーチしてみたところ、被害に遭ったことがないという人は、背が高かったり、ショートカットでボーイッシュな格好が好きだったり、見た目に顕著な傾向がありました。

 逆に、ぶつかられるのが“あるある”だという人は、全員小柄で声を上げないような雰囲気なんです。私は身長はそこまで高くはありませんが体格がいいほうで、それまではそうした“ぶつかり”とは無縁だったのですが、就活で黒髪ロングにした途端に被害に遭うようになりました。就活が終わって茶髪に戻すと遭わなくなったので、見た目が関係していることは明らかです」(Bさん)

 そんなBさんは、自分の経験から、「電車や駅で就活スーツを着ている女性を見かけると、その女性の周囲に目を光らせる習慣ができた。ぜひ周りの人も気を配ってあげて」と話す。

 メーカー勤務の20代女性・Cさんも、「就活スーツは遭遇率が上がる」という経験とともに、自分なりの対策を明かす。

「正直、ぶつかられるのは慣れっこなんですが、就活時期や、新社会人になりたてで、まだ就活スーツを着ていた頃はその遭遇率がぐんと上がりましたね。就活スーツを着ていると、面接や通勤など、明らかに時間に間に合わせる予定があることがわかるじゃないですか。

 ただでさえ社会にまだ慣れていない感じが伝わってしまうのに、そのうえ約束の時間や始業時間があるため、“ものを言えない”と思われるんだと思います。

 もちろんぶつかってくる方が悪いのですが、そうはいってもそういう人が存在する以上、自分で対策を考える必要もあります。まず、下を向いてスマホを見ながら歩かない。私はどちらかというと顎を上げて睨みつけるぐらいのイメージで、スタスタ歩いています」

 後を絶たない“ぶつかりおじさん”の被害。少しでも被害に遭う人が出ないよう気を配りたい。

以下ソース
https://www.moneypost.jp/1116801