人目を忍びながら野外で用を足し始めた女性の面前に、4人組の男は突如現れ、その姿をスマートフォンで執拗(しつよう)に撮影し続けた。
警視庁生活安全特別捜査隊が11月、建造物侵入容疑で摘発したのは、野外放尿の盗撮サークル。

視線の先にあったのは、人だかりに見合わず、公園に1カ所しかない女性用トイレ。
テーマパークの人気アトラクションに並ぶかのような女性の長い行列が続いている。

夕方、20代くらいの女性が遅々として進まない行列をそっと離れたその瞬間、4人の影も動き出した。
女性はそそくさと物陰へと歩いてゆく。
ほくそ笑む4人が女性を被写体として追い続けているとも知らずに…。

「尾行」から「包囲」、至近1メートルから…

犯行は突然、しかし堂々と始まった。
何かを探すようなそぶりで公園内を歩き続け、隣接する物流センターまで歩く女性。
それを追う4人。
午後3時55分ごろ、センターの物陰で用を足し始めた瞬間、「尾行」は「包囲」に変わった。
4人は悪びれることなく、しゃがみこんだ女性の面前に姿を現し、おもむろにスマートフォンを突き出し、撮影を始めたのだ。

突然の事態に女性は取り乱し、止めるよう懇願したが、4人は、にやけながら、女性から1メートルの至近距離で撮影を続けた。
用を足し終え、逃げるようにして女性が立ち去るのを見届けると、4人はもとの女性トイレへと帰っていった。

女性は野外で用を足したことを打ち明けられなかったのだろう。女性から通報されることはなかった。