ちょっと長い絵文字(絵文字でない)SS 1/2


犬「君たちは番なんだ」
ウリ坊が初めてハムに引き合わされた時そう紹介された
目の前にいたのは今にも泣きだしそうな、でも気の強そうな目をした年下の男の子
ウリ坊「番って?」
そう尋ねるときれいな男の人はとても幸せそうに笑った
犬「お互いを幸せにしてくれる相手ってことだよ」
ウリ坊は犬のその表情に見惚れた
これが、恋なんだと知る前に気持ちだけ始まった恋だった
そしてその瞬間をハムは見ていた

ウリ坊「犬!カブトムシ捕まえた!」
犬「すごいねウリ坊!ハムにも見せてあげて?」
ウリ坊「えー……あいつなんかいつもつまんなそうだし」
犬「人見知りしてるんだよ。ね、仲良くしてあげて」
ウリ坊「犬がそういうなら……」

ウリ坊「ほら、カブトムシ」
ハム「ふーん……」
ウリ坊「なんだよ。かっこいいだろ」
ハム「……そんなの、見てるだけじゃ別に。僕の方が大きいの捕まえられるし」
ウリ坊「何だと!せっかく見せてやったのに!」
ハム「……犬に言われたからじゃん」
ウリ坊「なんか言ったか」
ハム「別に……」
ウリ坊「ふん、俺が捕まえたのは近所で取れるようなのじゃないぞ。●●山に行かないとこんなでっかいのは無理なんだからな」
ハム「僕だって捕まえられるもん」
ウリ坊「無理無理。登山道からじゃわからない秘密の場所があるんだから。子供じゃないと草のトンネルくぐれないから大人は知らない場所なんだぞ」
ハム「じゃあ僕子供だから行けるじゃん」
ウリ坊「可愛くないやつ!犬くーんカブトムシのおやつくれー!」
ハム「ばっかみたい」

天狗「ウリ坊」
ウリ坊「天狗〜まだ帰らない〜」
天狗「駄目だ。猫がご飯を作って待っている」
ウリ坊「うー……犬くん、またくるな」
犬「はーい。またハムと遊んであげてね」
ウリ坊(俺は犬くんに会いに来てるのに)
犬「ほら、ハムもバイバイして」
ハム「……どうせ明日も来るんでしょ犬に逢いに」
ウリ坊「お前!」
天狗「行くぞ、ウリ坊」
ウリ坊「ふん!」

〜その夜〜
猫「うほおおおおおおおおおおお(ハート)い゛く゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛(ハート)」
<ジリリリーンジリリーン
猫「お゛く゛(ハート)お゛く゛にいっぱいきてりゅ(ハート)」
<ジリリリーンジリリリーン
猫「あれ?電話ですね出てきます」
天狗(いつも思うが切り替え早いな)
猫「はい天狗家……えっ!天狗!ハム君が居なくなったって…っ!」
天狗「なんだと」
猫「うん、うん……犬、落ち着いて。うちには来てないけど、天狗が捜索手伝うから。
  僕は家でいつハム君が来てもいいように待ってるからね」
ウリ坊「ムニャムニャ…なにを騒いでいるんだ?」
天狗「起こしてしまったか。ウリ坊、ハムが居なくなったそうだ。事件の可能性もあるがおそらく自ら家を出た可能性が高い」
ウリ坊「こんな夜中に!?」
天狗「昼間何か言っていなかったか?」
ウリ坊「そういえば、カブトムシ……。俺が●●山でカブトムシ捕まえたって言ったらあいつ自分ならもっと大きなの捕まえられるって」
天狗「くそっ●●山はここから歩いて2時間はかかるぞ」
猫「犬たちにも伝えます!」
天狗「俺は●●山で象たちと合流して探す。猫とウリ坊は家で待っていてくれ」
猫「気を付けて……」
天狗「ああ」
ウリ坊「……」

天狗【車ぶいーん】