ちょっと長い絵文字(絵文字出ない)SS 2/2


天狗「象」
象「来たか天狗」
天狗「どんな調子だ」
眼鏡「整備された登山道沿いはすでに探しましたが応答がありません。これから登山道の北を捜索する予定です」
天狗「了解した、俺は南を担当する」
象「助かる」

コソコソ(ウリ坊)

ウリ坊(あいつがこんな山に来たのは俺が自慢したからだ。俺が見つけないと)
ウリ坊「草のトンネルを通った跡がある!やっぱり来たんだ」
ウリ坊「おーい、おーい」
ウリ坊「おーい返事しろよ!おーい」
ウリ坊「いるのか―!おーい!は、ハム!ハムー!」
ハム「……呼び捨てするなよ」
ウリ坊「ハム!」
ハム「ふん……」
ウリ坊「何やってるんだよ!みんなに心配かけて!こんな夜中に!」
ハム「別に、僕の勝手でしょ……」
ウリ坊「ああ勝手だ!自分勝手だ!天狗も象もついでに眼鏡も探しに来てるんだぞ!猫も心配してるし犬くんだって」
ハム「ウリ坊は犬が心配してるから怒ってるんでしょ」
ウリ坊「何を!……あれ?お前脚……」
ハム「別に、ちょっとこけただけ。休んだら帰ろうと思ってたんだから」
ウリ坊「足首真っ赤じゃないか!こんなの帰れないだろ!」
ハム「帰れるよ!」
ウリ坊「頑固者!じゃあ立ってみろよ!」ぐいっ
ハム「いたっ!」
ウリ坊「ハム……、手が、震えてる……」
ハム「違うもん!怖くなんかなかったもん!休んでたら帰れたもん!おばけなんてないもん!ほんとに……(じわっ)」
ウリ坊「ああああな、泣くなよ!なんでそんな怖い思いしてまで夜の山に」
ハム「……おっきいカブトムシ」
ウリ坊「そんなことの為に?」
ハム「だって、ウリ坊は、カブトムシ好きで、……犬も好きで、僕のことは好きじゃないじゃん……」
ウリ坊「えっ」
ハム「カブトムシ…ヒック……カブトムシいたら……ク゛スク゛ス……僕、に……会いに来てくれるかなって……」
ウリ坊「は、ハム……」
ハム「ウリ坊が番だから仕方なく僕に構ってるのも、犬が好きなのも知ってるけど、知ってるけど……ちょっとだけ僕のことも見て……」
ウリ坊「ハム君、そんな風に思ってたなんて。俺、全然知らなくて、でも、泣いてるハム君が、その、可哀想だから泣かせたくないって思う……」
ハム「ごめんなさいウリ坊まで巻き込んで……」
ウリ坊「いや、いいんだ。俺も悪かったから。ほらハム君、背中に乗ってくれ。おとなが来れるとこまで行こう」
ハム「うん」

ウリ坊「よし、この道に出たら大丈夫だ。大人を呼んでくるけど、ハム君子供だけでこんなところに来ちゃダメなんだぞ」
ハム「はい、ごめんなさい」
天狗「まったくだなウリ坊」
ウリ坊「わっ!て、天狗いつの間に!」
天狗「猫が半狂乱でお前まで居なくなったと連絡して来た。帰ったらお説教だぞ」
ウリ坊「うぅ……わかったよ」
ハム「天狗、天狗」
天狗「お前もだぞハム」
ハム「うん、僕は怒られてもいいけど、ウリ坊は僕のこと心配してきてくれただけだからそんなに怒らないで」
ウリ坊「ハム君……!」
象「そんなわけにいくか。どっちも仲良く同じだけお説教だ」
眼鏡「まったくです」
ウリ坊・ハム「「うえーん」」

その後、ウリ坊は犬よりもハム君が大好きになったのでした。
ハム「番だから?」
ウリ坊「番とか関係なく、俺が好きだからだぞ!」
ハム「ばっかみたい(照れ)」