パシッ!
 思わず顔を平手打ちにした。

 リヴァイは軽く首を揺らしただけで、すぐにこちらを見上げ返した。

「……理由もない暴力は、俺の真似か」
「いいえ。躾です」
「俺は、悪い見本だったな」

 唇を歪める。
 まだ自分が上に居るつもりなのか。
 それなのに、頬骨の上の赤みを見ると急に可愛そうになった。自分の殴った跡を慎重に指の腹で撫でる。