職場の忘年会にコンパニオンを呼ぶ行為は、たとえ性的サービスがなくても、現代の法解釈や社会通念上、セクシャルハラスメント（環境型セクハラ）に該当するリスクが非常に高いと言わざるを得ません。
また、大手企業においては、コンプライアンス（法令遵守）の観点から、こうした慣例はほぼ消滅しているのが実態です。

詳細を以下の3つの視点で解説します。
1. なぜ「性的サービスなし」でもセクハラになるのか
・「性的な役割分担」の強制: コンパニオン（多くの場合女性）を呼び、お酌や接客をさせる環境を作ることは、「女性は酒席でサービスをするもの」という固定観念を助長します。
・ 事実上の強制: 会社が経費を負担する公式な行事であれば、それは「業務の延長」とみなされます。参加が事実上強制されている場合、そこでコンパニオンを呼ぶことは、従業員に対する配慮を欠いた不適切な職場環境の提供となります。

2. 大手企業における現在の状況
現在、日本の大手企業や上場企業において、公式な忘年会にコンパニオンを呼ぶ慣例は「ほぼ絶滅している」と言ってよいでしょう。
・コンプライアンスの強化: 2020年の「パワハラ防止法」施行以降、ハラスメントに対する企業の責任は非常に重くなっています。
株主や社会からの目もあり、経費でコンパニオンを呼ぶことはリスク管理の観点から認められません。
・ 経費精算の厳格化: 多くの大手企業では、コンパニオン費用を「交際費」や「福利厚生費」として処理すること自体が、社内規定で禁止されています。
・ ダイバーシティ（多様性）の推進: 性別を問わず多様な社員が働く場として、特定の性を「接待役」として呼ぶ行為は企業のブランドイメージを著しく損なうため、避けるのが一般的です。