帰納法で証明するにはn+1個で十分なのよ。
証明すべき命題を(Pn)として、n = 0 の場合からひとつずつ書いてみるとこんな感じよ。
(P0) 0次式fが1個の有理数 a_0 に対して f(a_0) ∈ ℚ なら、f = 有理数定数、つまり f ∈ ℚ[x] ね。
(P1) 1次式fが異なる2個の有理数 a_0, a_1 に対して f(a_0), f(a_1) ∈ ℚ なら、ある0次式gを使って
f(x) = (x−a_1)g(x) + f(a_1)
と書けるけど、a_0 ≠ a_1だから、g(a_0) = (f(a_0)-f(a_1))/(a_0-a_1) となって、これは (有理数)/(有理数) だから有理数ね。
したがって(P0)をgに適用すると g ∈ ℚ[x] が分かって、f は有理数係数の整式同士の掛け算と足し算で出るから有理数係数になって、f ∈ ℚ[x] となるの。
(P2) 2次式fが異なる3個の有理数 a_0, a_1, a_2 に対して f(a_0), f(a_1), f(a_2) ∈ ℚ なら、ある1次式gを使って
f(x) = (x-a_2)g(x) + f(a_2)
と書けるけど、g(a_0) = (f(a_0)-f(a_2))/(a_0-a_2) も g(a_1) = (f(a_1)-f(a_2))/(a_1-a_2) も有理数よね。
したがって(P1)をgに適用すると g ∈ ℚ[x] が分かって、このことからf ∈ ℚ[x] がわかるの。
こういうふうに、0次の時に1個必要で、nが増えると必要な個数が1個ずつ増えていくのよ。
>>568の人はすごく頭良いんだろうけど、少し厳密さに欠けていて文章展開に飛躍があると思うの。
途中で「(f(x+a)-f(a))/x は … n-1次多項式であり」とあるけど、これは厳密には正しくないわ。
(f(x+a)-f(a))/x は有理式であって x = 0 では定義されないわ。正しくは、
「(f(x+a)-f(a))/x はあるn-1次多項式と x = 0 以外で一致し、これは無数の有理数に対して有理数の値をとる」
みたいに書くべきなの。
x ≠ 0 の時に (f(x+a)-f(a))/x が定義されないから、「無数」のうち一個が減っているのよ。
さらっと書かれているけど、この部分がとても分かりにくく感じられたの。
だからアタシは>>570で書き直すにあたって、剰余の定理を使って自然に書いて有理関数を避けたの。
f(x) = (x-a_n)g(x) + f(a_n) と書くと、g(a_n) ∈ ℚ となる保証がなくなって
gが有理数に対して有理数の値を取ることが保障されている点の数がfに比べて1個減ることがはっきり分かるでしょ。
あとね、「n個のxについて~」は、例えば「3個のxについて~」だったら
∃x_0 ∈ ℚ ∃x_1 ∈ ℚ ∃x_2 ∈ ℚ (x_0 ≠ x_1 ⋀ x_0 ≠ x_2 ⋀ x_1 ≠ x_2 ⋀ f(x_0) ∈ ℚ ⋀ f(x_1) ∈ ℚ ⋀ f(x_2) ∈ ℚ)
みたいに一階述語論理で表現できるけど、「無数の〜」つまり「無限個の〜」は、
考えている集合から {1, …, n} (nは自然数)への全単射が存在するようなnがないって意味で、
一階述語論理で表現できないと思うから、そこも個人的に好きじゃないの。
ちなみに>>529を書いてた時も、もちろん帰納法使えないかしら、とは思ったんだけど、アタシはストレートに
「n次多項式f(x)が ∀x(f(x) ∈ ℚ → x ∈ ℚ) を満たすなら f(x) ∈ ℚ[x]である」
を示せないかしらと思っていたから、無理だったのね。
なぜなら 「すべてのxについて f(x) ∈ ℚ なら x ∈ ℚ」からは「f(x) ∈ ℚ であり x ∈ ℚ であるxが存在する」が言えないからね。
>>570書いてから気になるのは、n個の有理数に対して有理数の値を取るn次多項式fで f ∉ ℚ[x] となるものはあるか?
って疑問なんだけど、誰か答えられるかしら? なんとなくありそうな気がするけど。