ハロー・レディ! Part7 [無断転載禁止]©bbspink.com
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輝ける少女たちへ――
2014年3月28日発売
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企画:日野亘
シナリオ:日野亘、衆堂ジョオ
キャラクターデザイン・原画:さえき北都
オープニング主題歌:『Soul Release』
歌/作曲:真里歌
作曲/編集; Meis Clauson
Sound produced by Angel Note
前スレ
ハロー・レディ! Part5
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ハロー・レディ! Part6
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次スレは >>970 を踏んだ方が立ててください
無理な場合は速やかにそれ以降のレスを指定し依頼しましょう 欠伸を噛み殺しながら、珠緒が階段を降りてくる。普段、この寮で一番早くに目を覚ますのは彼女だ。 料理のできない珠緒は、他の誰かが起きてきて朝食が出てくるまで、バナナでも齧りながら庭でストレッチでもしているのが常である。 珠緒「イチ、ニー、サン、シー、カニッカニッカニッ 」 朔「昨日の今日だもの」
朔の傍までくると、良くできた飼い犬のように鼻をひくつかせる。 珠緒「……アイツ、面倒なことでもやりやがった?あのクソ野郎、その内、ぜってーシメるけど、今すぐやっちまうか?」 朔「昨夜はさすがに何もなかったわ。彼だって、初日は疲れてたでしょうし……まあ、昼間だけで十分過ぎるぐらいあったわけだけど」 珠緒「何もないんなら、取りあえずは見逃しといてやるか」
珠緒「何かあったら、言えよ。俺たちの寮でしでかしやがったら───珠緒姐さんが、今度こそキチッとカタ填めてやっから」 朔「貴女が暴れた後始末するの、結局私たちなんですけれど?」
珠緒「うぐぅ……そ、そこは役割分担ってことで……」
しばらくすると、他の三人も起きてきた。 エル「おはようございます。……すみません。朔が起きたのに、気づかなかったようです。起こしてくれればよかったのに」 朔「おはよう、エル。気にしないで。今日は私が早めに目を覚ましただけだから」 空子「おはよう、みんな。あれ?朔、今日は早いんだ」 朔は朝が弱い。寮で起きてくるのは、大抵空子の後か、一番最後だ。 美鳥「皆さん、おはようございます。あら、何ですの、音無さんが起きてるなんて、何やら悪巧みでもしていますの?」 朔「人聞きが悪いわね。揃ったのなら朝食───の前に、一応彼を起こした方がいいでしょうね」 朔「朝食どうすれば……とかも教えてあげないと、まだ右も左もわかってないから困るでしょう」 空子「それじゃあ今日は、成田君が仲間に加わったお祝いに、僕が朝食作るね」 美鳥「朝から重いモノを食べさせられるのは、美容によろしくありませんわ……」 珠緒「そもそもあんなクソ野郎、ぜってー、仲間じゃねーし!!」 エル「外交は最初が肝心です。最初にビシッとしめてれば、後の苦労はありません。最初にドジ踏みやがった負け犬、最悪。」 エル「恥ずかしい写真撮ってネットにバラ撒いてやろうか」 顔を見るのも腹立たしくても、だからといって、子どもじみたイヤガラセなんて、しようとは思わない。 珠緒「つーか、面白そうだろ、新入りの寝ボケ顔とか」 エル「自分、どっちでもいいですが、そういう流れでしたので」 美鳥「鷹崎さん、素っ気ないですわね。わたくしは、正直興味が大ありですわよ。何といっても、初めての種族:男性ですもの」 興味本位で、全員ついてきてしまった。
……はしたない。ノーブルレベルが足りてない。気持ちは解らなくはないけれど。何と言っても、初めての男なのだから。 男────イケナイ方向へ走りかけた思考を止めて、朔は扉をノックした。 朔「音無です」
成田「うむ。おはよう。朔。この早朝に、何か用かな?」 珠緒「新入りのクセに、いきなり呼び捨てかよ。生意気!」 朔「彼、海外が長かったから、その方が慣れているのよ。別に気にしないわ」 エル「朔が気にしなくても、問題大ありです。精神的貴族を新入りのド平民が呼び捨てとは、万死に値します」 朔「成田君、朝食を一緒にどうかと思って、誘いに来ました」 腹が減っては負け戦と、古代の哲人プリンス・ショートクは言ったらしいが、まさに真理。 食は三大欲求の一つ、睡眠と並んで人間には不可欠だ。 エロゲをプレイしていても腹ペコになった時と眠たい時は離席する。 成田「まだ右も左もわからず、どうしたものかと悩んでいたところだったのだよ。」 成田「少々手が離せないのだが、運命の鍵は開いている。入ってくれたまえ」 美鳥・空子・エル・珠緒「○×△××○△────────ッッ!?!?」 扉を開けるなり、乙女たちはフンババを目撃した哀れな罪人のように硬直する。 朔「ひゃ、ひゃ───」
腰を抜かして、その場にへたり込んだ。 後ずさろうとしていたが、手と足を上手く動かせないらしく、空回りして藻掻いている。 裸?なるほど、私は現在、一糸まとわぬ全くの全裸だ。
着ていたパジャマはマジで脱いだ。 寝ている時に下着などという無粋な物は付けぬ主義ゆえ、オレは全裸だ。 早朝の鍛錬には、服を脱いで行うのが当然なのだから。
それが、何か? 成田「見たまえ。鍛え抜かれ、そそり立った完璧な肉体は、ギリシア彫刻を彷彿とさせる。恥ずべきところなど一部もない。」 自分の完璧な肉体に溺れている場合ではない。
溺れるのはごく一部の竜ロリだけだ。 成田「朝から取り乱すとは、何か悪い病の前兆かもしれない。私は医学についての心得もある。安心して見せるといい」 何故だか早朝から取り乱した乙女たちを落ち着かせるべく、腰を振って歩み寄る。 成田「深呼吸をするのだ。落ち着いて。目を逸らさずに、真っ直ぐに私を見たまえ!」 珠緒「あーん、やだーーっ!おとーさーん!!!@@」 時乃「では、このスレの講義は、一旦ここまで。次回はテキスト200ページからです。予習を忘れないように」 エル「朔、また、ぼうっとしていました。この数日、普段の朔とは数値的な差異があります。『課題』の事故の後遺症で、体調に問題が出ていますか?」 朔「大丈夫、平気よ。ほら、火傷とかもほとんどなかったし……その、成田のおかげで。もう全部治ったわ。痕も残らないって、時乃先生も言っていたでしょう?」 朔「心配ないわよ。そうだ、そろそろ夜食作ってくれない?」 エル「自分、思いますけど、ベッドに胡坐でカップ麺啜るのは、<クラウンの筆頭>としてどうかと」 朔「いいの。この学園にいると、普段、こういうのが食べられないから、時々無性に食べたくなることがあるの」 エル「美容によろしくないです。ついでに言うと、朔は便秘がちなので」 朔「うるさいなあ。いいでしょ。たまに食べるぐらいで、ウエスト増えたりしないわよ……ずるずる」 朔「…………ねえ、エル。成田にお礼、言わないといけないわよね」 成田とは、あの「事故」以来、まともに話をしていない。 直前に、ケンカ別れのようになってしまったので、何となく声を掛けづらかった。 あの「事故」から、救ってくれた。
成田真理に命を救われるのは、これで二度目だ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています